「アロマは気になっている。でも、何から始めればいいのか分からない」——暮らしを整える研究室に届くご相談で、いちばん多いのがこの声です。
佐藤美咲この止まり方には、はっきりした理由があります。精油は種類が多く、しかも正解が1つではないため、知識を増やすほど選べなくなるという逆転が起きるからです。
この記事では、精油の選び方を「3つの入口」に整理し、アロマタッチと呼ばれる手技が何をするものなのかを解説します。あわせて、家で続けるために最低限おさえておきたい希釈の目安と、使わないほうがよい場面もまとめました。

「気になるのに始められない」のは、知識が足りないからではありません
精油を買ったのに使わなくなった方に理由をうかがうと、返ってくる答えはほとんど同じです。「間違った使い方をするのが怖い」「自分に合っているのか分からない」。つまり、情報が足りないのではなく、判断の基準がない状態です。
基準がないまま情報だけが増えると、選択肢は増えるのに決められません。香りの説明を10種類読んでも、目の前の1本を開ける理由にはならないのです。
秋山葵
精油の選び方には、3つの入口があります
選び方に迷ったときは、次の3つのどれかから入ると決めてしまうと、一気に進みます。
| 入口 | 決め方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ① 香りの好み | 実際に嗅いで、心地よいと感じるほうを選ぶ | はじめての1本/気分を切り替えたいとき |
| ② 使う時間帯 | 朝・日中・夜のどこで使うかを先に決める | 生活リズムに合わせて習慣にしたいとき |
| ③ 使い方 | 芳香浴で香らせるのか、希釈して肌に使うのかを決める | 家族と共用するとき/肌に使いたいとき |
この3つは優先順位ではなく入口です。どこから入っても構いませんが、3つを同時に考えないことがコツになります。「夜に使いたい」と決めてから香りを嗅ぐと、候補は自然に絞られます。
「好み」を最初に置いてよい理由
香りの感じ方には個人差があり、体調や季節によっても変わると言われています。だからこそ、本を読んで決めるより、その場で嗅いで決めるほうが早いのです。同じ精油でも「今日は心地よい」「今日は重たい」と感じ方が動くことは珍しくありません。
佐藤美咲
秋山葵時間帯から選ぶときの、ざっくりした地図
「② 使う時間帯」から入る場合、最初は細かく考えず、次のくらいの粗さで十分です。香りの印象は人によって違うので、あくまで出発点として使ってください。
| 時間帯 | 選ばれやすい香りの傾向 | 使い方の例 |
|---|---|---|
| 朝 | 柑橘系やミント系など、軽く感じられる香り | ティッシュに1滴/マグカップのお湯に香らせる |
| 日中 | ハーブ系など、すっきりした印象の香り | デスクまわりで短時間だけ香らせる |
| 夜 | ラベンダーや樹木系など、落ち着いた印象の香り | 枕元に置く/希釈して手や腕に使う |
この表は「必ずこう選ぶべき」というものではありません。朝にラベンダーが心地よい日もあります。大切なのは、時間帯を先に決めることで比較する対象が減る、という一点です。

ラベルで見ておきたい4つの情報
同じ名前で売られていても、中身は同じとは限りません。値段の差が何から来ているのかを知るために、ラベルの次の4項目を見る習慣をつけておくと迷いが減ります。
| 見る項目 | 何が分かるか |
|---|---|
| 学名(Lavandula angustifolia など) | 同じ「ラベンダー」でも植物としては別種のことがある |
| 抽出部位(花・葉・果皮・樹脂など) | 同じ植物でも、採る場所が違えば香りも成分の傾向も変わる |
| 抽出方法(水蒸気蒸留・圧搾など) | 柑橘の圧搾か蒸留かで、光毒性の扱いが変わることがある |
| 原産国・ロット情報 | 収穫年や産地で香りに幅が出る。同じ銘柄でも印象が変わる理由になる |
秋山葵なお、雑貨として売られている「アロマオイル」と表示された製品には、植物から採った精油ではなく合成香料が使われているものもあります。肌に使う予定があるなら、精油(エッセンシャルオイル)と明記されたものを選んでください。
アロマタッチは「手技」です——何をするのかを整理します
アロマタッチは、精油を使って手や腕、背中などにゆっくり触れていく手技の呼び名です。強く揉みほぐすマッサージとは考え方が異なり、圧をかけることよりも、一定のリズムで触れることに重きが置かれます。
医療行為ではありませんし、体の不調を治すことを目的としたものでもありません。香りと、人の手で触れられる時間をセットで体験するものだとお考えください。
| アロマタッチ | 一般的なマッサージ | |
|---|---|---|
| 主眼 | 精油を使い、一定のリズムで触れる | 筋肉をほぐす・圧をかける |
| 強さ | 弱め〜中程度 | 目的に応じて強くすることもある |
| 時間 | 短時間でも成立する | 部位により長めになりやすい |
| 家での再現 | 手・腕なら自分でも続けやすい | セルフでは再現しにくい部位が多い |
体験会でこの手技を扱う理由は、言葉で説明しても伝わらない部分が大きいからです。どのくらいの強さで、どのくらいの速さで触れるのかという感覚は、一度受けてみるとその日のうちに再現できるようになります。
家に持ち帰れるのは「手と腕」です
体験会では背中まで受けていただけますが、家で続けられるのは手と腕の範囲だと考えています。自分の手が届き、道具もいらず、1回3分程度で終わるからです。
- 希釈したオイルを手のひらにとり、両手で温める
- 手の甲から手首、前腕へと、ゆっくり一定の速さで滑らせる
- 強く押し込まず、触れている面積を広く保つ
- 左右で同じ回数だけ行う
順番よりも、速さを一定に保つことのほうが再現の鍵になります。ここは文章だと伝わりにくい部分で、一度受けると感覚がつかめます。
佐藤美咲
家で続けるために、希釈の数字を1つだけ覚える
肌に使う場合、精油は原液のままでは使いません。植物油(キャリアオイル)で薄めてから使うのが基本です。目安としてよく紹介されるのは次の濃度です。
| 使う場所 | 濃度の目安 | キャリアオイル10mLあたりの滴数 |
|---|---|---|
| 体(腕・脚・背中など) | 1%程度 | 2滴 |
| 顔 | 0.5%程度 | 1滴 |
| はじめて使うとき/敏感に感じやすい方 | 0.5%以下 | 1滴以下 |
※精油1滴を約0.05mLとして計算した目安です。メーカーやドロッパーの形状によって1滴の量は変わります。
キャリアオイルは、まず1本で構いません
薄めるための植物油にも種類がありますが、はじめから何本もそろえる必要はありません。使用感の違いを知っておけば、1本を選べます。
| キャリアオイル | 使用感の傾向 | 向く場面 |
|---|---|---|
| ホホバオイル | さらっとしていて酸化しにくいとされる | はじめの1本/顔にも使いたいとき |
| スイートアーモンドオイル | やわらかく伸びる | 腕や脚など広い範囲に使うとき |
| ココナッツオイル(分留タイプ) | 軽く、べたつきが少ない | 手や腕にさっと使いたいとき |
開封後は時間とともに劣化していきます。大容量よりも、使い切れる量を買うほうが結果的に無駄がありません。
渡邊大悟また、はじめて使う精油は腕の内側などで少量を試してから広い範囲に使います。合わないと感じたときに、早い段階で気づけるためです。
先に知っておきたい「使わない場面」
精油は植物から採れた、成分が濃縮されたものです。心地よく続けるために、避けたほうがよい場面を先に知っておきます。
- 原液を直接肌につけない(必ず植物油などで薄めて使う)
- 目・粘膜・傷のある部分には使わない
- 柑橘系の一部には光毒性があると言われているため、肌に使った後は直射日光を避ける
- 妊娠中・授乳中の方、持病のある方、服薬中の方は、事前に医師や専門家に相談する
- 乳幼児・高齢の方に使うときは、より低い濃度から始める
- 同居のご家族やペットがいる場合は、香りを広げる量と時間に配慮する
佐藤美咲体験会でも、この注意点の話は最初にお伝えします。楽しく続けるための前提だと考えているからです。
知識だけで終わらせない——体験して覚えるほうが速い
精油の選び方も、触れ方も、文字で読むと難しく感じます。ところが実際には、嗅いで選ぶ・受けてみる・その場で質問するという順番を1回通すだけで、驚くほど整理されます。
「家に帰ると、どれを使えばいいか迷う」をなくすこと。これが、暮らしを整える研究室が体験の場を用意している理由です。

渡邊大悟アロマタッチ体験を含む3時間は、この順番で使います
2026年9月5日(土)、京都・花園で体験会をひらきます。3時間を2部構成にしているのは、知ることと受けることを1日でつなげるためです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 13:30 | 受付・はじめに |
| 14:00 | 第1部 アロマを活用したナチュラルケアの基本と、精油の選び方 |
| 15:00 | 第2部 アロマタッチ体験(ハンドアロマのみの参加も可) |
| 16:00 | 質疑応答・シェアタイム |

第2部は、全身ではなく手と腕だけのハンドアロマを選ぶこともできます。どちらにするかは、当日その場で決めていただいて構いません。
よくあるご質問
アロマはまったくの初心者ですが、参加できますか
はい。はじめての方の目線で進めます。精油を1本も持っていない状態でのご参加が、いちばん多いパターンです。
ひとりで参加しても浮きませんか
お一人でのご参加が多い会です。定員5名の少人数のため、質問もしやすい距離感でお話しできます。
がっつり受けるのは緊張します
手と腕だけのハンドアロマも選べます。服装を大きく変える必要はありません。
持ち物はありますか
タオルをお持ちください。そのほかに必要なものは、お申し込み後にLINEでご案内します。

開催概要とお申し込み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 夏のがんばり、手のひらからほどく。 |
| 日時 | 2026年9月5日(土)13:30〜16:30(受付13:30) |
| 会場 | 右京ふれあい文化会館(京都市右京区)/JR花園駅 徒歩約5分 |
| 参加費 | 2,000円(材料費込み) |
| 定員 | 5名 |
| 内容 | アロマを活用したナチュラルケアの基本/アロマタッチ体験(ハンドアロマのみの参加も可) |
| 担当 | TOTONOEメンバーズ |
お申し込みは、次のページからLINEでお受けしています。
▶ 9/5 京都・花園「夏のがんばり、手のひらからほどく。」お申し込みはこちら

遠方の方・当日の都合がつかない方へ
会場までお越しになれない方には、精油を選ぶときの考え方をまとめた「精油えらびガイド」をお配りしています。LINEを追加して、「精油ガイド」とメッセージを送ってください。自動でお届けします。
秋山葵あわせて読みたい
この体験会をひらくことにした背景や、当日の空気感については、noteのほうで書いています。
アロマは気になるけれど何から始めれば、という方へ。9月5日、京都・花園で体験会をひらきます(note)


コメント