イギリス式とフランス式、そしてドイツ式。アロマテラピーには3つの流派があることをご存知ですか? この記事では、3大流派の違いを法制度・使用法・資格制度の観点から徹底比較します。
佐藤美咲








「アロマテラピー」という言葉を聞いて、あなたはどんなイメージを思い浮かべますか?
ディフューザーから漂うラベンダーの香り、スパでのリラクゼーションマッサージ。
実はこのイメージは、アロマテラピーの「半分」でしかありません。
ヨーロッパでは、精油は医師が処方し、薬局で販売され、国家試験に出題される「医療」の一部です。
この記事では、アロマテラピーの3大流派 — イギリス式・フランス式・ドイツ式 — の違いを、法制度・使用法・資格制度の観点から徹底的に比較します。
日本でどの流派を学べるのか、そしてdoTERRAはどの流派に位置づけられるのかまで、体系的にお伝えします。


アロマテラピーの歴史 — なぜ3つの流派に分かれたのか?
アロマテラピーの誕生 — 1927年フランス
「アロマテラピー(Aromatherapie)」という言葉を作ったのは、フランスの化学者ルネ=モーリス・ガットフォセです。
1927年、実験中に大火傷を負ったガットフォセは、とっさにラベンダー精油を傷口に塗布しました。すると驚くほどの速さで回復し、傷跡もほとんど残りませんでした。
この体験が、科学的なアロマテラピー研究の出発点となりました。



その後の発展 — 3つの道に分岐
ガットフォセの研究はその後、3つの異なる方向へ発展しました。
フランスでは「医療」として
軍医ジャン・ヴァルネが第二次世界大戦中に精油で兵士の傷を治療。その経験を1964年に『Aromatherapie(アロマテラピー)』として出版し、フランスのメディカルアロマの基礎を築きました。
イギリスでは「美容・ホリスティックケア」として
オーストリア出身のマルグリット・モーリーが1950年代にイギリスに渡り、精油をマッサージオイルに混ぜるホリスティックアプローチを確立。IFA(International Federation of Aromatherapists)の設立につながりました。
ドイツでは「国家資格に基づく自然療法」として
ドイツでは19世紀から続くハイルプラクティカー(自然療法士)制度の中に植物療法(フィトテラピー)が組み込まれ、医学教育の一部として発展しました。


3大流派を徹底比較
イギリス式アロマテラピー — 癒しと美容の世界






イギリス式アロマテラピーの特徴は、精油を「癒しの道具」として捉えることです。
イギリス式の基本原則:
- 精油は必ずキャリアオイルで希釈して使用(濃度1〜3%)
- マッサージ(トリートメント)が中心的な施術法
- 精油の内服は原則禁止
- 心身のバランスを整える「ホリスティック(全体的)」アプローチ
- 禁忌事項を重視した安全性最優先の姿勢
イギリスには「精油を飲む」という文化がありません。精油は皮膚から吸収させるか、香りを吸入するかの2つの方法で使います。
この安全性を重視するアプローチが、日本のAEAJ(公益社団法人日本アロマ環境協会)の教育方針にも引き継がれています。
フランス式アロマテラピー — 医療としてのアロマ






フランス式アロマテラピーでは、精油は「体に取り入れるもの」です。
フランス式の基本原則:
- 精油の内服(経口摂取)が一般的
- 医師が精油を処方箋で処方できる
- 薬局(pharmacie)で精油が販売されている
- 精油の化学成分(ケモタイプ)を重視した科学的アプローチ
- 高濃度での使用が可能(症状に応じて5〜20%)
フランスの医療現場では、感染症に対して医師が抗生物質またはアロマティック・メディスン(精油による治療)の選択肢を患者に提示するケースもあります。
薬剤師は処方箋がなくても、胃腸炎や食中毒などの軽症に対してカプセル入り精油を推奨することが認められています。


ドイツ式アロマテラピー — 国家試験に出る植物療法






ドイツのアロマテラピーは、フランス式とイギリス式の中間に位置する独自の発展を遂げました。
ドイツ式の基本原則:
- 国家資格「ハイルプラクティカー(Heilpraktiker)」の制度下で実践
- 医学部でハーブ療法(フィトテラピー)の講義が必須科目
- 国家試験にも植物療法が出題される
- 医師は追加資格「Naturheilverfahren(自然療法)」を取得可能
- 精油だけでなくハーブティー・チンキ・軟膏など植物療法全体を包含
2023年時点で、ドイツには約47,000人のハイルプラクティカーが活動し、毎日約128,000人の患者が自然療法を利用しています。
医師の中にも、自然療法の追加資格を取得した者が15,949人おり、外来診療の70%がこの資格を活用しています。
民間の医療保険の多くが自然療法をカバーしており、ドイツでは「代替医療」ではなく「医療の一部」として社会に組み込まれています。


3流派を一覧表で比較



| 比較項目 | イギリス式 | フランス式 | ドイツ式 |
|---|---|---|---|
| 哲学 | ホリスティック(全体的) | メディカル(科学的) | 自然療法(統合的) |
| 精油の位置づけ | 癒しの道具 | 医薬品に準ずる | 植物療法の一部 |
| 使用濃度 | 1〜3%(低濃度) | 5〜20%(高濃度) | 症状による(中〜高) |
| 内服 | 原則禁止 | 一般的 | 条件付きで可能 |
| 主な施術 | マッサージ・吸入 | 内服・塗布・座薬 | ハーブ全般+精油 |
| 法的位置づけ | 民間療法 | 医療の一部 | 国家資格制度内 |
| 代表的研究者 | マルグリット・モーリー | ジャン・ヴァルネ | コミッションE(薬用植物委員会) |
| 濃度基準の根拠 | 安全性最優先 | 治療効果の最適化 | 薬理学的エビデンス |


EU最新規制がアロマの未来を変える



ヨーロッパでは現在、精油に関する法規制が大きな転換期を迎えています。
REACH/CLP規制の影響
EU REACH規制(化学物質の登録・評価・認可・制限に関する規則)とCLP規制(分類・表示・包装に関する規則)が精油にも適用されています。
フランスのDGCCRF(消費者保護当局)の調査では、精油ベース製品の80%がCLP規制に非適合と判明しました。
さらに、スウェーデンが精油の主要成分であるp-cymeneを生殖毒性カテゴリ1Bとして分類提案するなど、天然精油の成分にも化学物質としての規制が強化される流れにあります。
これに対し、ラベンダー生産が主要産業であるフランスでは、上院がEU委員会に対して精油産業保護のための欧州決議を提出。EU委員会がこれに回答するなど、政治レベルでの議論が続いています。





日本ではどの流派が学べる?資格制度を整理






AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会) — イギリス式寄り
- 会員数:約5万人(日本最大)
- 合格率:約90%(取得しやすい)
- 特徴:リラクゼーション・ホリスティック重視
- 精油の内服:推奨しない立場
- 主な資格:アロマテラピー検定、アロマテラピーアドバイザー、アロマテラピーインストラクター
アロマに興味を持った初心者が最初に出会うことが多い団体です。安全性を最優先にした教育方針で、入門としては最適です。
NARD JAPAN — フランス式
- 設立:1998年
- 特徴:精油の化学分析・ケモタイプ・禁忌事項を最初から徹底的に学ぶ
- 精油の内服:教育内容に含む
- 主な資格:アロマ・アドバイザー、アロマ・インストラクター、アロマ・セラピスト
精油の成分を化学式レベルで学びたい人、メディカルアロマに興味がある人向けです。AEAJより学習のハードルは高いですが、臨床に近い知識が身につきます。
IFA / IFPA — イギリス式の国際資格
- IFA(International Federation of Aromatherapists):世界最古のアロマテラピー団体
- IFPA(International Federation of Professional Aromatherapists)
- 特徴:国際的に通用する資格。イギリスの病院でも認められている
- 日本での取得:認定校が限られるため、通学が必要な場合が多い








doTERRAはどの流派? — 品質基準CPTGとの関係






フランス式の品質思想と科学的検証の融合
doTERRAの精油が「飲める」「肌に直接塗れる」と言われる背景には、フランス式アロマテラピーの文化があります。
フランスでは精油の内服は日常的な医療行為です。そのためには、精油が100%天然で、有害物質を含まない「メディカルグレード」であることが前提条件となります。
doTERRAのCPTG(Certified Pure Tested Grade)品質基準は、この「メディカルグレード」を科学的に担保するための独自の検査体制です。
1本の精油に対して8つの検査手法、合計60以上のテストを実施。しかも蒸留直後、製造施設到着時、ボトル充填後の3回、独立した第三者ラボが検査します。



「どの流派が正しいか」ではなく「どう使いこなすか」
アロマテラピーの3つの流派は、どれが正しくてどれが間違いということではありません。
それぞれが異なる歴史と文化の中で発展し、異なる強みを持っています。
大切なのは、各流派の特徴を知った上で、自分の目的に合ったアプローチを選ぶことです。


暮らしに活かす — 目的別アロマの選び方
リラクゼーション重視ならイギリス式アプローチ
ストレス解消や睡眠改善が目的なら、イギリス式のアプローチが最も手軽です。
- ディフューザーでラベンダーを焚く
- キャリアオイルで希釈してマッサージ
- バスソルトに精油を混ぜてアロマバス
低濃度で安全に使えるため、アロマ初心者にもおすすめです。
健康管理・セルフケアならフランス式の知恵
体調の維持・改善を目指すなら、フランス式の考え方が役立ちます。
- 精油の化学成分(ケモタイプ)を理解して選ぶ
- 症状に合わせた精油の使い方を学ぶ
- 足裏への塗布や経皮吸収を活用する
ただし、フランス式の内服は医師の指導のもとで行うのが原則です。日本では精油は医薬品として認可されていないため、内服は自己責任となります。
統合的に使いこなすための3つのポイント



1. 品質で妥協しない
どの使い方をするにしても、精油の品質がすべての土台です。特に肌に塗布したり吸入したりする場合、不純物を含む精油は逆効果になりかねません。
2. 目的に合った使い方を選ぶ
リラクゼーションにはイギリス式、セルフケアにはフランス式の知恵を借りる。「どちらか一方」ではなく、場面に応じて使い分けることが理想です。
3. 継続することが最大の効果
精油は薬ではありません。「毎日少しずつ、暮らしの中に取り入れる」ことで、体の土台が整っていきます。


まとめ






アロマテラピーは、イギリス・フランス・ドイツの3つの異なる文化の中で発展してきました。
- イギリス式:安全性重視。癒しと美容。低濃度。マッサージ中心
- フランス式:医療としてのアロマ。高濃度。内服あり。科学重視
- ドイツ式:国家資格制度内の植物療法。包括的な自然療法
日本ではイギリス式が主流ですが、フランス式の知識を加えることで、精油の可能性は大きく広がります。
doTERRAは、フランス式の品質思想と独自のCPTG科学検証を融合させた、「飲める品質」の精油を提供しています。
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