
「春になってから、なぜか寝つきが悪くなった」——。
そんな感覚、ありませんか。
4月に入って気温は上がってきたはずなのに、布団に入っても1時間、2時間と目が冴える。夜中に何度も起きてしまう。朝は鉛のように重い体で起き上がる——。
私自身、毎年この季節になると同じ壁にぶつかっていました。「春だから仕方ない」と受け入れていたこの”眠れなさ”。でも今年、あるやり方で2週間を過ごしてみたところ、自分でも驚くほど「眠りまでの時間」が変わっていきました。
やったことは、たった一つ。毎晩21時以降、ラベンダー×ベルガモットのブレンドを”就寝の2時間前”から始める。
この記事では、30代ワーキングマザーの私が2週間で気づいた「香りで夜を整える」3つの法則を、Day1からDay14の正直な記録とともにお届けします。
> ⚠️ 本記事は一般的な生活習慣の主観的な体験記録です。不眠症状の診断・治療を目的としたものではありません。体調に不安のある方・持病をお持ちの方・妊娠中の方は、必ず医師等の専門家にご相談ください。
1. なぜ春は眠れなくなるのか——自律神経の観点から

まず「そもそも、なぜ春は眠れなくなるのか」を整理しておきます。ここを理解すると、あとの2週間チャレンジのルール設計の意味が腑に落ちます。
理由①:1日の気温差が大きく、体温調整で自律神経が酷使される
厚生労働省 e-ヘルスネットの「自律神経失調症」ページでも解説されている通り、自律神経は私たちの体温・血圧・心拍・消化・睡眠などを無意識にコントロールしています。
春先は朝晩と日中の寒暖差が10℃を超える日も珍しくありません。体温を一定に保つため、自律神経は血管の収縮と拡張を1日の中で何度も繰り返します。結果、交感神経(活動モード)が優位な時間が長引き、夜になっても”オフ”に切り替わりにくい状態が続くわけです。
理由②:日の出が早まり、光環境が前倒しになる
4月は日の出時刻が3月と比べて約30分早まります。朝日を浴びることは体内時計のリセットに欠かせない一方、朝の光が強くなると体内時計のリズムが前倒しになり、一時的に「早朝覚醒」が起きやすい時期でもあります。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、季節ごとの光環境の変化が睡眠リズムに影響することが解説されています。

理由③:新生活のメンタル負荷がピークに達する
4月は多くの人にとって環境が切り替わる月。人事異動、子どもの進学、春休みが明けての生活リズムの再構築——。「楽しみ」と感じていても、脳はそれを“未知の情報を大量に処理する状態”として扱います。
この処理の負荷が、就寝時間になっても頭の中の”雑音”として残り、入眠の妨げになる。これも自律神経のゆらぎの一因です。
理由④:花粉の影響で呼吸の質が落ちる
見落とされがちですが、花粉の季節の”呼吸の浅さ”も睡眠に影響します。鼻づまりや口呼吸は眠りの質を落とすことが、独立行政法人 環境再生保全機構の花粉症情報でも指摘されています。
口呼吸のまま眠ると喉が乾き、夜中に目覚める回数が増える傾向に。花粉ケアは、そのまま”夜の呼吸の質を整える”ことにつながります。
自分の”眠れなさ”の正体を知る
ここで大切なのは、「私の眠れなさは、意志が弱いからでも、年齢のせいでもない」と理解することです。
春という季節が、体と脳に自然と負荷をかけている。その前提に立つと、「治そう」と気負うのではなく、「季節のゆらぎに、そっと寄り添う習慣」を作ればいいのだと気づけます。
ここから先は、その”寄り添い方”を、私が実際にやってみた記録とともにお届けします。
2. 主人公プロフィール——2週間前の私の状態

ここからは、私自身が2週間チャレンジを始める前の状態を、恥ずかしながら正直に記録します。
基本情報
- 年齢:36歳
- 職業:在宅ワーク中心(平日8〜19時)
- 家族構成:夫・小学生の子ども1人
- 運動:週1〜2回、30分程度のウォーキング
- コーヒー:午前中に1〜2杯
- アルコール:週2〜3回、グラス1杯程度
チャレンジ前の”眠れなさ”指標(Day0の記録)
| 項目 | 状態 |
|—|—|
| 寝つきまでの時間 | 50〜80分 |
| 夜中の覚醒 | 2〜3回 |
| 起床時の気分(10点満点) | 3〜4点 |
| 朝のだるさ | 強い(午前中ずっと眠い) |
| 寝る前のスマホ時間 | 平均90分 |
特に気になっていたのは「布団に入ってから寝つくまでの時間」と「朝のだるさ」。夜、天井を見つめる時間が長く、気づくと日付が変わっている——そんな日々が4月に入ってから特に増えていました。
“眠れなさ”が生活に及ぼしていた影響
単なる睡眠の話ではなく、日中の以下のような”連鎖”を感じていました。
- 午後2時頃の強い眠気:昼食後、デスクでぼんやりする時間が増える
- 夕方の集中力低下:夕飯の支度中にレシピを何度も見返す
- 夜の気分の落ち込み:「また今夜も眠れないのかな」という不安で就寝時間が近づくのが怖くなる
- 週末の寝だめ失敗:土日に12時間寝ても疲れが取れず、逆に頭がぼんやり
「眠れない」という一つの症状が、1日全体の質を下げていく——。この”負の連鎖”から抜け出したい、というのが今回のチャレンジを始めた動機でした。
なぜラベンダー×ベルガモットを選んだか
実は私は以前からラベンダーを夜のディフューザーで使っていました。ただ、単独だと「香りが甘重く、少し苦しい」と感じる日があり、続かない理由になっていました。
調べていくうちに見つけたのが、ラベンダーとベルガモットの組み合わせ。どちらも酢酸リナリルという成分を豊富に含み、相性が良いブレンドとされています。ラベンダーの落ち着きとベルガモットの柑橘系の軽やかさが、お互いの角を取るような感覚。
「これなら続けられるかも」と直感した2種類でのチャレンジを決めました。
3. 2週間チャレンジのルール

無理のない範囲で、けれど”何が効いたのか”が後でわかるように、以下の5つをルールとして設定しました。
ルール①:ラベンダー×ベルガモット ブレンドのみを使う
「あれこれ混ぜるとわからなくなる」ため、精油は2種類に絞る。
- ラベンダー(真正ラベンダー):副交感神経優位に寄り添う代表格。リナロール・酢酸リナリル含有
- ベルガモット:柑橘系のなかでもラベンダーと共通成分(酢酸リナリル)を多く持ち、相性が良い
ルール②:就寝の2時間前から使い始める
「布団に入ってから慌ててディフューザーをつける」のでは遅い、という仮説。就寝を23時と決め、21時からディフューズ開始。
ルール③:使い方は2つだけ——ディフューズと枕元サシェ
- 21時〜22時:リビングのディフューザー(ラベンダー3滴+ベルガモット2滴)
- 22時〜:寝室の枕元にサシェ(布製小袋)にコットン1枚+精油2滴
器具を増やさない。お金もほとんどかけない。
ルール④:寝る前の行動を固定する
- 23時に布団に入る(±15分)
- 22時以降のスマホは白黒モード
- 照明は電球色、間接照明のみ
ルール⑤:毎朝、3項目だけ記録する
- 寝つきまでの時間(感覚値でOK)
- 夜中の覚醒回数
- 起きた時の気分(10点満点)
“効いた気がする”を”実感としてデータで確かめる”のがこのルールの目的です。

4. Day1〜Day14の記録——ハイライト7日分
2週間の記録のうち、特に変化や気づきがあった7日を抜粋してご紹介します。

Day1(月曜日):香りに意識が向きすぎて、逆に目が冴える
21時、ディフューザーをONに。リビングに広がるラベンダー×ベルガモットの香りは想像以上に「優しいシトラス」で、最初は「良い香り〜」と気分が上がる。
しかし、いざ布団に入ると「今夜は眠れるかな」「香り効いてるかな」と意識しすぎて、いつもより目が冴える展開に。
記録:寝つき約70分/夜間覚醒2回/起床時3点
Day3(水曜日):枕元サシェに気づきあり
3日目は仕事で頭がいっぱいのまま21時を迎え、ディフューザーを忘れて22時過ぎからスタート。
でも寝室に入ってから気づいた——「枕元のサシェの香り、顔を横に向けたときだけ優しく届く」。鼻に直接当てるのではなく、”気配”として漂う程度がちょうど良い。
この日から、サシェを顔から30〜40cmの位置に置くのを固定ルールに。
記録:寝つき約50分/夜間覚醒2回/起床時4点
Day5(金曜日):初めて”記憶がない”寝つきを体験
金曜日は夫が帰宅遅く、自分の時間がとれた日。21時ぴったりにディフューザーをON、ソファで読書しながらゆっくり。22時に寝室へ移動、23時に消灯。
このあたりから記憶が飛んでいて、気がついたら朝——2週間で初めて「寝ついた瞬間を覚えていない」という体験。
記録:寝つき約20分(感覚値)/夜間覚醒0回/起床時6点
Day7(日曜日):1週間後、最初の”ベースライン”が変わる
1週間を振り返ってみて気づいたのは、「寝つきの時間のバラツキが減っている」こと。以前は日によって30分〜90分と大きく振れていたのが、30〜50分のレンジに収まっている。

特別調子が良い日もあれば平均的な日もあるけれど、“極端に悪い日”が消えた。これはディフューザーONの時間を21時と決めたことによる生活リズムの効果かもしれません。
記録:寝つき約40分/夜間覚醒1回/起床時5点
Day10(水曜日):ブレンドを微調整
最初の1週間はラベンダー3:ベルガモット2の比率だったものを、この日からラベンダー3:ベルガモット3に変更。ベルガモットの柑橘感がもう少し欲しかったため。
すると、リビング全体が「ラベンダーが主役」から「優しい柑橘と花のバランス」に変わり、気分の切り替わりがより明確に。「いま、夜モードに入った」と体感しやすくなりました。
記録:寝つき約25分/夜間覚醒1回/起床時6点
Day12(金曜日):夫にも変化が波及
12日目の朝、夫が「最近リビングの夜の空気が好き」と言ってきた。私が意識していたのは自分の睡眠だったけれど、家族全員が”夜のリビング”の過ごし方が変わっていた。
夫も夜のスマホ時間が減り、22時台にリビングで読書をするように。家族の生活リズムに波及する効果は予想外でした。
子どもも、金曜日の夜は学童の疲れで機嫌が乱れがちだったのが、香りに包まれたリビングでは穏やかに過ごせている気がする——あくまで主観ですが、“空間の空気が変わると、人の振る舞いが変わる”のを実感した瞬間でした。
記録:寝つき約25分/夜間覚醒1回/起床時6点
Day14(日曜日):2週間の総括
最終日、Day0と比較して明確に変わった項目は次の3つ。
- 寝つき:50〜80分 → 20〜40分
- 夜間覚醒:2〜3回 → 0〜1回
- 起床時の気分:3〜4点 → 5〜6点(まだ10点ではない)
「劇的に治った」わけではないけれど、“日常が戻ってきた感覚”がある。

記録:寝つき約30分/夜間覚醒0回/起床時6点
5. 気づいた3つの法則

2週間の自分なりの記録から、「これが効いた要因」と感じた3つの法則をまとめます。
法則①:香りは”就寝2時間前”から始めると間に合う
最初に気づいたのは、「寝る直前に精油をつけても遅い」ということ。
リビングに香りが広がり、それが”脳と体の夜モード切り替えの合図”として機能するには、少なくとも1.5〜2時間の助走が必要だと感じました。
“効かせよう”として直前につけるのではなく、「21時の時点で、すでに部屋が夜の香りになっている」状態を作る。これだけで寝室に移動したときの”切り替わり感”が違います。

法則②:枕元サシェは”気配”くらいがちょうど良い
布団に入ってからの香りは、強すぎると逆に意識が冴えてしまいます。
枕のすぐ下ではなく、顔から30〜40cm離した位置にサシェを置くのがベスト。鼻呼吸のたびに”ほんのり”香るレベルがもっとも深くリラックスできました。
強い香りを求めるのではなく、”気配”を作る。これが夜の香りの黄金ルールです。
法則③:ブレンド黄金比は「ラベンダー3:ベルガモット3」
最初の1週間はラベンダー3:ベルガモット2で始めましたが、10日目から3:3にしてから「体感的に気持ちよい」と感じる比率に。
- ラベンダー単独:重い・甘すぎ
- ベルガモット単独:軽い・夜向きではない
- ラベンダー多め:落ち着くがやや眠気が重い
- ラベンダー3:ベルガモット3:バランスが軽やかで、翌朝の目覚めもクリア

もちろんこれは私の好みの話。自分にとってのベストバランスを見つけるプロセスそのものが、夜の楽しみになります。
補足:3つの法則が”セット”で効く
振り返ってみて思うのは、この3つは単独では不十分だということ。
- 2時間前にONにしても、比率が自分に合っていないと続かない
- ブレンド比率が最高でも、直前につけたら間に合わない
- 時間も比率も整っていても、枕元が強すぎると逆効果
“時間”と”距離(気配)”と”比率”。この3つが整ったときに、初めて「香りで夜が整う」状態が成立する——というのが、2週間で私が学んだ一番の気づきでした。
6. 実践者からのアドバイス——これから始める人へ

2週間を終えて、「最初からこうしておけば良かった」と思うことを3つお伝えします。
アドバイス①:記録は3項目で十分
寝つき時間・夜間覚醒・起床時の気分——この3つだけで、自分の変化が見えます。
細かく記録しようとすると続きません。スマホのメモ帳か紙のノートに、毎朝30秒だけ。これがちょうど良い負荷でした。
アドバイス②:3日で判断しない
Day1〜Day3は「逆に目が冴える」体験でした。「ダメだった」と3日で諦めなくて良かった、と心から思います。
香りと生活リズムが馴染むのに最低1週間、実感が安定するのに2週間——これが私の実感値です。
アドバイス③:使い方は”足し算”より”固定”
精油の使い方のバリエーションを増やすのではなく、“時間と場所”を固定する方が効果を感じやすい。
- 21時:リビングのディフューザーON
- 22時:寝室の枕元サシェ
- 23時:消灯
この3つを2週間繰り返しただけでした。シンプルな習慣こそ、続く。
7. 明日からの一歩

この記事を読んでくださったあなたが、今夜から、あるいは明日から試せる最小ステップをご提案します。
STEP 1:今夜、就寝の2時間前にラベンダーを1滴
ディフューザーがなくても大丈夫。ティッシュに1滴落として、リビングのテーブルや棚に置くだけ。“リビングが夜の香りになる”という体験を、まず1回試してみてください。
STEP 2:枕元に”気配”を作る
布製の小袋や、マグカップに丸めたコットンでも大丈夫。顔から30〜40cm離した位置に、精油1〜2滴を落としたコットンを置いてみる。
STEP 3:3項目の記録を3日続ける
寝つきまでの時間(感覚値)/夜間覚醒回数/起床時の気分(10点満点)。
3日続けて、「昨日より数字がちょっと良い」感覚があったら、もう1週間続ける。それだけで十分です。
最後に
春の眠れない夜は、気温差・光環境・新生活のメンタル負荷という「季節の特殊性」から生まれる、誰にでも起こりうるゆらぎです。
特別なことをする必要はありません。今日から1滴、2時間前から、”気配”として。
この小さな習慣が、明日の朝の目覚めに、ほんのすこしの違いを運んでくれるかもしれません。
totonoe では、季節ごとの自律神経ケアや精油の活用情報を発信しています。 最新情報は公式LINEと @aroma.shift(Instagram)でお届け中。この春、あなたの夜に、やさしい香りの習慣を。
本記事の情報は主観的な体験記録と一般的な生活習慣の情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。不眠症状が2週間以上続く場合は、必ず医師等の専門家にご相談ください。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「自律神経失調症」/厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

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