【タイム】-ストレスを和らげ、気分を明るくする さわやかなハーブの香り-

シングルオイル

【タイム】の基本情報

  • 学名:Thymnsinfarol.1753
  • 科名:シソ科
  • 産地:ドイツ、南欧地中海沿岸
  • 抽出部位・方法:葉、茎、花を水蒸気蒸留
  • 香りの特徴:さわやかなハーブの香り
  • ノート:ミドル
  • 香りの強さ:濃度4
  • ブレンドの分類:イクオライザーエンハンサー
  • 相性のよい醤油:ベルガモット、ティーツリー、オレガノ、ローズマリー

芳香化学成分

  • モノテルペン炭化水素類:パラ-シメン(35.0%)、r-テルピネン(14.8%)、ミルセン(3.9%)、α-テルビネン(15%)、α-ピネン(3.6%)
  • モノテルペンアルコール類:リナロール(3.6%)、1,8シネオール(1.7%)
  • セスキテルペン炭化水素類:β-カリオフィレン(1.8%)
  • フェノール類:チモール(24.2%)、カルバクロール(3.2%)

疫病予防に使われた薫香

30cm程の高さで楕円形の葉をつけるタイムは、ギリシャ語の「Thyein(香りをくゆらす)」が名前の由来。南欧原産のワイルドタイムから分かれ、300以上もの種類が存在します。タイムは同じ学名の植物でも、生育地の気候や土壌によって、化学的構成が大きく異なります。中世ヨーロッパでは疫病が流行したとき、タイムの枝を焚いて空気を浄化したそうです。

強力な抗菌+防腐作用

優れた抗菌、防腐作用を持つことから、古代エジプトではミイラ作りに使われていたタイム。ヨーロッパ各地で大流行したペストに対しても、タイムを始め抗菌力の高い植物をビネガー(お酢)にひたして消毒剤をつくり伝染拡大の予防剤として活用したといわれています。その高い抗菌作用は、現代でもインフルエンザや風邪の予防に力を発揮し、最近では花粉症にも有用性を発揮するとの研究もあります。季節や環境の変化が多い時に身体を守り、元気回復に作用します。また、洗濯や空気清浄など家中のクリーニングにも活躍し、同じタイムの中でも、CTチモール(CTThymol)は特に高い殺菌効果が期待できます。そのため、昔かから、肉や魚の保存にも重宝されていたようです。
※生育地の気候や土壌条件によって、同一の植物でも化学的構成(化学成分)が大きく異なるものをケモタイブ(Chemotype)といい、そのタイプをCTで表す。

【タイムの有用性】

心不安を和らげ元気を与える

強壮作用があり、疲れた心身に元気を与えてくれます。脳細胞を活性化し、記憶力を高める効果も期待できます。

抗うつ、強壮、高揚、刺激

体風邪や喉の痛みに

免疫力を高めてくれるだけではなく、風邪をひいたとき、喉の痛みやせき、筋肉痛などを和らげてくれます。

抗バクテリア、抗菌、抗真菌、寄生虫、抗酸化、抗ウイルス、防腐、血圧上昇、健胃、消化促進、抗微生物、殺菌

肌毛髪を整え、ふけを抑える

頭皮に使用することで、殺菌作用でふけを抑えて頭皮環境を整える効果が期待できます。脱毛ケアにもおすすめです。

抗菌、抗真菌、抗酸化

注意:粘膜と皮膚組織に炎症を引き起こすことがあります。妊娠中は使用を避けてください。高血圧の方は慎重に注意深く使いましょう。

タイムの使用方法

芳香浴:

体の一部分に使用するには、オイルとキャリアオイルを1:4で薄めます。足裏の反射区やツボと患部、気になる部分に塗ります。刺激が強いので、マッサージやアロマバスでの使用はおすすめできません。長期間の連続使用は避けましょう。

摂取:

飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。ただし、この種のオイルは粘膜の炎症を引き起こすことがあるので、さらに薄めたほうがよい場合もあります。

※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには摂取させないでください。6歳以上の子どもに摂取させる必要がある場合は、さらに薄めて慎重に使いましょう。

家事:

洗濯時、洗剤と一緒にオイルを3~5滴入れます。抗菌作用が強いので、空気清浄や清掃に使うと効果的。

おすすめの活用法

タイムは料理の風味付けに使われるハーブとしても知られています。肉や魚の煮込み料理にオイルを1滴入れるとくさみが取れます。フライドチキンやアイスティー、ドレッシングに1滴加えるだけで、ハーブのさわやかな香りと風味が楽しめます。また、デスクまわりやクローゼットをキレイにしたいときは、スプレー式容器で散布が便利です。

傷口の化膿すぐれた抗菌作用で傷が化膿するのを抑える

傷口に1滴塗ると、傷のケアに役立ちます。また、湿布すると傷口の化膿を抑える働きがあります。

頭痛タイムの香りと作用で、頭痛を和らげる

オイルとキャリアオイルを1:4の割合で薄め、2、3滴をひたい、両方のこめかみ、後頭部および両耳後部に塗ります。

ふきんの除菌細菌とにおい除去!ふきんも清潔に

ふきんを洗うとき、容器に水を張り、オイルを1、2滴加えて、ふきんを少し浸けてから洗うと、除菌ができて衛生的です。

空気清浄連続使用で室内の清潔感をキープする

ディフューザーにタイムを入れて、25分ほど拡散させます。一度止めて15分おきに拡散することで、室内を清潔な状態にキープすることができます。

掃除スプレー散布や拭き掃除で清潔に

拭き掃除をしたぞうきんは、タイムの入った水で洗うと、ぞうきんについたカビやダニなども取れます。また、スプレー容器に水とオイルを入れておくと、食卓をはじめ、気になるところに吹きかけ、拭き取るだけで、除菌効果が期待できます。香り成分も楽しめます。

風邪、気管支炎呼吸器系疾患に力を発揮し、のどの痛みを軽減

水の入ったコップにオイル1、2滴を入れてうがいするか、空のカプセルにオイルを入れて飲みます。または、ディフューザーにオイルを入れて室内に散布させてもよいでしょう。

洗濯衣服の除菌と消臭に

いつもの洗剤とともにタイムを3~5滴ほど、洗濯槽へ入れて、洗ってください。衣類を清潔にするだけでなく、においも取り除き、香りも楽しめます。

止血傷口にスプレーして細菌の侵入を抑える

スプレー容器に30mlの精製水とタイム1滴を入れてアロマスプレーを作ります。ハンカチやコットンに吹きつけ傷口に当てます。細菌の侵入を抑える働きがあります。

対応する症状

バクテリア感染、風邪、血流やリンパの流れの滞り、うつ、消化不良、病後の体力低下、インフルエンザ、気管支炎、大腸炎(感染性)、皮膚炎、頭痛、免疫機能低下、不眠、リウマチ、尿路感染、傷、集中力低下、落ち込み、ストレス、関節炎、腰痛

研究報告

抗バクテリア作用:

被験者がチモール、メントール、サリチル酸メチル、ユーカリプトールが入っている口内洗浄液を6ヶ月間使用したところ、これらのオイルに耐性を持っていた口腔バクテリアが消えていた
(Charlesetal.,2000)。

抗バクテリア作用:

シナモン、タイム、クローブのエッセンシャルオイルが、数種の気道の病原体に対して、抗バクテリア効果を示した(Fabioetal.,2007)。
抗バクテリア作用:タイム・オイルが、ブドウ球菌と大腸菌に対して、強い抗バクテリア効果を示した(Mohsenzadehetal.,2007)。

抗真菌作用:

タイム・オイルは、カンジダ菌の形成時にその細胞膜に損傷を与えて発芽管を抑制することにより、カンジダ菌を抑制することが判明した(発芽営とは、真菌が自己複製するときに伸ばす突起物である)
(Pina-Vazetal.,2004)。

抗真菌作用:

シナモン、タイム、オレガノ、クミンのオイルが、アスペルギルス属真菌によるアフラトクシン生成を抑制した
(Tantaoui-Elarakietal.,1994)。

抗微生物作用:

14種類のエッセンシャルオイルをテストしたところ、よく見られる呼吸器系の病原体に対して、シナモン・バーク(シナモンの皮)、レモングラス、タイムのオイルが最も強い効果を示した
(Inouyeetal.,2001)。

抗酸化作用:

タイム・オイルのサプリメントを与えられた年老いたラットは、サプリメントを与えられなかった年老いたラットよりも、心臓、肝臓、腎臓に、抗酸化酵素であるスーパーオキシド・ジムスターゼとグルタチオン・ペルオキシダーゼの量が多いことが判明した
(Youdimetal.,1999)。

抗酸化作用:

タイム・オイルかその成分であるチモールを与えられた老齢のラットは、このオイルか成分を与えられなかった老齢のラットよりも、抗酸化酵素であるスーパーオキシド・ジムスターゼとグルタチオン・ペルオキシダーゼの量が、脳で多いことが判明した(Youdimetal.,2000)

大腸炎:

0.2%のタイムオイルおよび0.1%のオレガノオイルの用量での経口投与は、誘発性の大腸炎を伴うマウスの死亡率の低下、体重増加しながらの回復を促進、また大腸組織の肉眼的損傷を大幅に減少したことが判明した(Bukovskaetal.,2007).

月経困難症:

タイムエッセンシャルオイル、イブプロフェン、およびプラセボ治療の投与を比較した研究で、タイムエッセンシャルオイルがイブプロフェンと同様に月経困難症の痛みを緩和し、プラセボ治療よりも有意に作用することが明らかになった(Salmalianetal.,2014)。

不安症:

カルバクロールはタイムとオレガノに含まれるモノテルペンフェノールである。カルバクロールの経口投与はマウスにおいて抗不安様作用を発揮した(Meloetal.,2010)。

肥満:

10週間かけて高脂肪食およびカルバクロールを投与したマウスの体重増加量、内臓脂肪重量、および最終体重は、カルバクロールを含まない高脂肪食を投与したマウスよりも有意に低かった(具体的にはカルバクロールを摂取した場合、最終体重が24%減少、体重増加が43%減少、および総内臓脂肪重量の36%減少が観察された)。(Choetal.,2012)。興味深いことに、10週間の投与期間中、食物摂取量はグループ間で同じだったが、mRNA発現は2つのグループ間で違いが出た(Choetal.,2012)

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