【マジョラム】の基本情報
- 学名: Organum majorana L. 1733
- 科名:シソ科
- 産地:フランス、エジプト
- 抽出部位・方法:葉から水蒸気蒸留
- 香りの特徴:スパイシーで心が温まる香り
- ノート:ミドル
- 香りの強さ:濃度3
- ブレンドの分類:エンハンサー、イクオライザー
- 相性のよい精油:ベルガモット、サイプレス、ラベンダー、オレンジ、ローズマリー、イランイラン
芳香化学成分
- モノテルペン炭化水素類: r-テルピネン(13.6%)、 α-テルビネン(8.4%)、シス-サビネン水和物(3.7%)、 テルビノレン (2.9%)、 ミルセン(2%)、 リモネン(1.8%)、フェランドレン (1.8%)、 サビネン(7.3%)、 パラーシメン (1.1%)
- モノテルペンアルコール類:テルピネン-4オール(27.5%)、トランス-サビネン水和物(12.7%)、 α-テルピネオール(3.5%)、リナロール(1.1%)、シスパラーメンス2オン-1-オール(1.5%)
- セスキテルペン酸化水素類: 8-カリオフィレン(2.3%)
- エステル類:酢酸リナリル(2.3%)
古くから活用されたハーブ
草丈が30cm~60cmほどに成長する多年草で、卵型の葉と貝のような白や薄いピンクの小さな花を咲かせます。古くから薬剤や香水、料理に使われてきたハーブで、見た目がオレガノ(ワイルドマジョラム)に似ていますが、エッセンシャルオイルで使われているのはスイートマジョラム(Origanum majorana)です。
心を落ち着ける特性を持つ
マジョラムの語源はラテン語の「マヨル(大きい)」ですが、この言葉には「人の生命を長く延ばす」という長寿の意味があります。その名の通り、マジョラムの香りは不安から心を解き放ち、安らぎを与えてくれます。古代ギリシャ・ローマ時代には、幸せの象徴ともされていました。
【マジョラムの有用性】
心:ストレスを解消し、心を癒す
副交感神経の働きをよくして呼吸を整え、ヒステリーや、パニックを鎮めるよう作用します。心身に安らぎと癒やしをもたらします。
鎮静、頭脳明晰化
体:血流促進作用で冷えを解消
自律神経のバランスを整え、血流を促し、体温、血圧、心拍などの乱れを整える働きがあります。冷えが原因の諸症状に有用。
抗バクテリア、抗感染、防腐、性欲抑制、抗痙攣、動脈血管拡張、血行促進、加温、消化促進、健胃、利尿、去たん、鎮痛、免疫賦活、強壮
肌:目の下のくまやしもやけのケア
血液循環をよくし、炎症を抑える働きがあり、傷の手当てや目の下のくま、あざの緩和に役立ちます。しもやけのケアにも。
抗炎症、血行促進、免疫賦活
古代ギリシャ人やローマ人はスープやシチュー、ドレッシングに独特の風味を与え使用してきました。
現代では心を落ち着かせ、健やかな身体づくりをサポートしてくれます。
注意:妊娠や授乳中、アレルギーがある方、お子さまは医師にご相談のうえご使用ください。
【マジョラム】の使用方法
芳香浴:空気中に散布してもよいでしょう。
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。
摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈してください。
※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには摂取させないでください。6歳以上の子どもに摂取させる必要がある場合は、さらに薄めて慎重に使いましょう。
沐浴:バスタブにオイルを1、2滴入れて、入浴します。
美容:キャリアオイル15mlにオイルを3、4滴入れて、フェイシャルマッサージ用オイルとして使用できます。
【マジョラム】のおすすめの活用法
マジョラムは血行を促し、体を温めることで、関節や筋肉の痛みを和らげるので、慢性の腰痛や肩こり、月経痛にもうってつけです。
また、フランスでは歌手がのどを守るためにマジョラムを活用したといわれています。のどや呼吸器系の疾患にも役立ちます。
生理痛:痛みを和らげてブルーデーを乗り切る
キャリアオイル15mlにオイルを15滴入れて、ブレンドオイルを作り、お腹をマッサージしましょう。クラリセージとブレンドすると、より有用性がアップします。
手足の冷え:加温作用で体を温かくする
マジョラムは加温オイルのひとつ。キャリアオイル15mlにオイルを15滴入れて、ブレンドオイルを作り、手や足の先にオイルをすりこむよう念入りにマッサージします。
安眠:ストレスを緩和し安眠へと導く
ディフューザーにオイルを5、6滴入れ、寝室に香りを拡散します。副交感神経に働きかけ、心地よい安眠を促します。
神経痛:捻挫や筋肉痛にも力を発揮
神経痛や関節炎、リウマチなど、患部に1、2滴塗ります。筋肉を収縮する作用もあり、捻挫や打撲、筋肉痛にも有用です。
不眠:心身を和らげて快眠へ誘う
心地のよい睡眠をもたらすマジョラム。アロマストーンやディフューザーで寝室に香りを拡散しましょう。スプレー式容器に精製水とオイルを混ぜて、ベッドの枕力バーに散布してもよいでしょう。バスタブにお湯を張り、1~3滴程度のオイルを落としよくかき混ぜて、ゆっくり浸かる就寝前のアロマバスもおすすめです。
対応する症状
痛み、関節炎喘息、気管支炎、便秘、偏頭痛、筋肉痛、神経痛、疼痛、リウマチ、捻挫、おでき、吹き出物、やけど、日焼け、ヘルペス、ショック、不安、不眠、ヒステリー、緊張、肩こり、月経痛、冷え性、ストレス、メタボ、リラックス
研究報告
高血圧:
83人の高血圧症または高血圧症予備軍の被験者を以下の3つのグループ、研究グループ(ラベンダー、イランイラン、マジョラム、ネロリを含むエッセンシャルオイルブレンドを拡散)、プラセボグループ(人工香料を拡散)、そしてコントロールグループ(香りなし)に分けた。研究グループは、家庭内血圧の即時かつ長期的に低下することが判明した(Kimetal.,2012)。
関節炎:
関節炎患者に、ラベンダー、マジョラム、ユーカリ、ローズマリー、ペパーミントのオイルとキャリアオイルをブレンドして使用すると、対照グループと比較して、認識できる痛みと鬱が減ることが判明した(Kimetal.,2005)。
月経困難症:
合成香料と比較して、月経時にラベンダー、マジョラム、およびクラリセージのエッセンシャルオイルのブレンド(2:1:1の比率)で腹部を毎日マッサージすると、月経困難症の痛みが減少、痛みを生じる時間が短縮した(Ouetal.,2012)。
潰瘍:
ラットにマジョラム抽出物を経口投与すると、潰瘍の発生率、基礎胃液分泌、および酸排出を有意に減少することがわかった(Al-Howirinyetal.,2009)。
コメント