【ユーカリプタス】-清涼感のある香りで感染症を抑制心と体に働き、気分を爽快に-

シングルオイル

ユーカリプタスの基本情報

  • 学名:Eucalyptus rashiwa Sicher ex DC1828
  • 科名:フトモモ科
  • 産地:オーストラリア、スペイン、ポルトガル、ブラジル、カリフォルニア、ロシア、 中国など広い地域で栽培。
  • 抽出部位·方法:葉加水蒸気蒸留
  • 香りの特徴:甘くフルーティーな芳香
  • ノート: ミドル 香りの強さ: 濃度3
  • ブレンドの分類:エンハンサー
  • 相性のよい精油:ティーツリー、ローズマリー、レモン、ラベンダー、マジョラム

芳香化学成分

  • モノテルペン炭化水素類: リモネン(8.5%)、α-ピネン(4%)、ミルセン(1.9%)、 サビネン (1.3%)、 β-ピネン (1.1%) アーテルビネン (0.8%)
  • モノテルペンアルコール類: α-テルビネオール (4.2%)
  • オキサイド類:1,8 シネオール(72.7%)、酢酸α テルビニル(1.3%)

防虫・抗菌作用で健康的な風土に

ユーカリの木は10m以上にも達する背の高い常緑樹。オイルを抽出する葉は硬くて濃い緑色水分を吸い上げ、グングン成長することから、マラリア拡大阻止のために活用されました。湿地に植えると大地を乾燥させるだけでなく、優れた防虫、抗菌作用で、蚊の繁殖を抑え、健康な大地を作り出すのです。

抗菌・消炎作用を持つ精油

オーストラリアの原住民アボリジニの人たちは、ユーカリの葉の殺菌、消毒作用を生かして傷のまわりに巻いて治療をしたり、解熱に用いたりと、万能薬として活用してきました。ユーカリプタスは、抗菌力に優れているほか、鎮痛や消炎作用もあり、免疫調整などさまざまな作用があります。すっきりとした清涼感のある香りで刺激成分も少ないので幅広く使われています。

【有用性】

心:前を向いて進むために

否定的な思いを取り払い前向きな気持ちにさせます。情緒を安定させて、精神集中を助けて、頭をスッキリさせることも。

鎮静、頭脳明晰化、抗うつ

体:免疫力をアップ

抗菌や抗炎症、免疫調整作用を持った成分、1.8シネオールが6-7割を占めています。感染症やアレルギー性の症状をケアします。

抗菌、殺菌、消毒、抗酸化抗炎症、免疫調整、鎮痛、利尿、解毒、去たん、解熱、血流促進、強壮、抗バクテリア、抗カタル、抗感染、消炎、抗ウイルス

肌:傷の悪化を抑制

傷口や湿疹、やけどなどの細菌の増殖を防ぎ、膿みを抑制する働きがあります。炎症も抑えて、肌の再生を促します。

抗炎症、癒傷、デオドラント

その他

防虫、駆虫

注意:妊娠、授乳中は慎重にお使いください。栄養補助食品として摂取できません。

使用方法

芳香浴:空気中に散布してもよいでしょう。直接ビンから吸入してもよいでしょう。

塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。敏感肌の方やお子さまはオイルとキャリアオイルを1:1で薄めます。

沐浴:バスタブにオイルを1、2滴入れて、入浴します。

美容:キャリアオイルでオイルを薄めてわきの下に塗ると、汗やにおいを抑えることができます。

家事:拭き掃除の際、バケツの水に2、3滴オイルを垂らすと、部屋を清潔に保てます。また、洗濯時に3~5滴オイルを加えて洗うと、衣類の細菌やにおいを除去することができます。

Column①腸は病気やアレルギーから体を守る免役力を司る

消化器の一部である腸は、免疫力をコントロールする役割を担っています。

食事以外にも外部からウイルスや病原菌など、危害を及ぼす可能性のある物体が侵入する可能性があります。そんなとき、体を守ってくれるのが腸です。そこには体内の約7割と言われる免疫細胞が集まっています。

今話題の腸内細菌は免疫細胞とも深く関わっているようです。善玉菌、悪玉菌、日和見菌などがバランスよく住み着いているはずの腸内細菌ですが、加齢とともに悪玉菌が増え、逆に善玉菌が減少すると言われています。

免疫力はビフィズス菌に代表される善玉菌が支えているため、加齢とともに免疫力も低下するのです。ストレス過多になると善玉菌はさらに減り、悪玉菌が増えてしまいます。

食生活や生活習慣などを見直して、善玉菌を増やし、腸内環境をよい状態にすることが、免疫力を上げ、病気やアレルギーへの耐性を強化してくれるでしょう。

おすすめの活用法

強力な殺菌作用があり、ディフューザーやスプレーで室内を香らせると空気を浄化し、害虫も追い払います。傷や湿疹といった、小さなトラブルにも広く対応できるので、常備しておきたいオイルでしょう。

ベルガモットとブレンドすると単純ヘルペスに対応するといわれています。ティーツリーとブレンドすると室内に清涼感が漂います。抗菌、殺菌、消毒作用があるので、快適で健康的な生活のために上手に活用してください。

風邪:鼻や喉の炎症に作用したんやせきを和らげる

室内に散布するか、直接ビンから香りを吸入します。1、2滴を胸や鼻、首、両足裏に塗るのもおすすめです。

うつ:肺を開いて呼吸をラクにし気分を一掃

直接ビンから香りを吸入するか、室内に散布します。目を閉じて香りを吸入するとより効果的です。

頭痛:痛みの症状を和らげ頭をスッキリさせる

ひたいや両方のこめかみ、後頭部及び両耳後部に1滴塗ります。

衣類の抗菌:衣類を清潔に保ち嫌なにおいもオフ

洗濯洗剤1回分に3~5滴のオイルを加えて洗います。衣類を細菌から守り、においも除去します。

対応する症状

ニキビ、湿疹、気管支炎、耳炎症、子宮内膜症、インフルエンザ、花粉症、高血圧、虹彩炎症、鼻粘膜炎症、鼻腔炎、膣炎、虫刺され、うつ、不安、心配、風邪、月経痛、頭痛、メタボ、体臭、胸やけ、二日酔い、消化不良、食欲不振、鼻づまり、せき、のどの痛み、腰痛、疲労、ヘアケア、口臭

MEMO①シネオールの抗菌力

ユーカリプタスの主成分(62~72%を占める)であるシネオールは、抗菌力を持ち、抗カタルや去たん作用を持っています。

そのため、風邪や花粉症を緩和することが期待できます。

研究報告

鎮痛作用:

1,8シネオール(ユーカリプタス)に、モルヒネとよく似た(痛みを軽減する)抗侵害受容作用があることが判明した(Liapietal.,2007)。

鎮痛作用・抗炎症作用:

ラットで数回実験したところ、1,8シネオール(ユーカリプタス)に消炎効果が見られた。マウスの実験では、おそらくは中枢神経系を抑制することにより、痛みを軽減する)抗侵害受容作用があることが判明した
(Santosetal.,2000)。

気管支炎:

健康な人と気管支炎の人の双方で、1,8シネオール(ユーカリプトール)を使ってセラピーを実施したところ、白血球中のLTB4とPGE2の生成が減少した
(LTB4とPGE2は双方ともアラキドン酸の代謝産物で、炎症に関与する化学伝達物質として知られている)(Juergensetal.,1998)。

気管支炎:

慢性気管支炎の患者では、ローズマリー、バジル、ホワイトファー(モミ)、ユーカリのオイルが抗酸化効果を示した。ラベンダーによる脂質量の正常化促進が見られた(Siurinetal.,1997)。

抗バクテリア作用:

チモール、メントール、サリチル酸メチル、ユーカリプトールが入っている口内洗浄液を6か月間使用した被験者では、これらのオイルに耐性を持つ口腔バクテリアが増加しないことが判明した(Charlesetal.,2000)。

抗炎症作用:

ユーカリ・オイルが酸素ラジカルに作用して白血球の活性化に干渉することにより、炎症プロセスを改善することが見られた(Grassmannetal.,2000).
抗ウイルス:ティーツリーとユーカリのオイルが、単純ヘルペスウイルスに対して、抑制効果を示した(Schnitzleretal.,2001)。

殺虫:

オイゲノール、アルファ・テルピネオール、シナモン・アルコール(桂皮アルコール)のブレンドに、アメリカ・ゴキブリ、オオアリ、ドイツ・ゴキブリに対する殺虫効果があることが判明した(Enan,2001)。

高血圧:

ラットを1,8シネオール(ユーカリとローズマリーの成分ユーカリプトール)で処置したところ、血管壁の弛緩により、心拍数が減少することなく、大動脈圧(血圧)の中間値が低下した(Lahlouetal.,2002)。

シラミ:研究者は、8%のユーカリオイルスプレーが、他の濃度のユーカリとクローブオイル・ブレンドのスプレーと比較して、シラミと殺虫剤抵抗性アタマジラミに対して最も効果的な治療法であることが判明した(Choietal.,2010)。
シラミユーカリオイルが学齢児童のアタマジラミに、効果的な治療法であることが判明した(Greiveetal.,2017)。

骨粗鬆症:

ローズマリーまたはユーカリのエッセンシャルオイル(および他のエッセンシャルオイルに含まれるいくつかのモノテルペン類】の経口摂取はラットの骨吸収・破壊(骨の細胞レベルでの破壊する仕組み)を阻害することが発見された{Muhlbaueretal.,2003)。

小児疾患・流行性耳下腺炎:

プラーク減少分析は、ユーカリエッセンシャルオイルがムンプスウイルスに対して軽度の抗ウイルス活性を持っていることを示した(Cermellietal.,2008)。

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