【ヒノキ】の基本情報
- 学名:Chamaecryparis obtusa(Siebold&Zucc.)Endl.1847
- 科名:ヒノキ科
- 産地:日本、台湾
- 抽出部位・方法:木部から水蒸気蒸留
- 香りの特徴:すっきりさわやかな樹木の香り
- ノート:ベース
- 香りの強さ:2
- ブレンドの分類:エンハンサー
- 相性のよい醤油:カモミル、ベルガモット、レモン、クラリセージ、ネロリ、サイプレス、ユーカリ、ティーツリー
芳香化学成分
- モノテルペン炭化水素類:α-ピネン、リモネン
- セスキテルペン炭化水素類(30.0%):r-カディネン、o-カディネン、α-ムウロレン、β-カリオフィレン、α-エレメン
- セスキテルペンアルコール類(60.0%):α-カジノールT-ムウロロール、T-カジノール、カジン-1(10)エン-4、β-カリオフィレンアルコール
古来より活用されている木
ヒノキは日本人にとってなじみ深い木です。油分が多く、火起こしに使われていたことから「火の木」と呼ばれるようになったという説と「日の木」という尊く最高の木という説があるといわれています。
古くから香りの癒し作用や防虫、殺菌作用が知られ、神社仏閣の建材をはじめ、まな板、桶などさまざまな日用品として活用されてきました。
心がホッと安らぐ木の香り
ヒノキはフレッシュでさわやかな木の香りのするオイルです。主成分のα-ピネンには森林浴をしているような癒し効果と、リフレッシュ作用が期待できます。ヒノキのオイルは葉や枝から抽出されたものもあり、香りや成分が異なるので、使用前に注意して確認しましょう。
【ヒノキの有用性】
心:強壮と鎮静どちらにも働く
気持ちを高める作用と、心を落ち着かせる作用を合わせ持つオイルです。心身のバランスを整え、やる気を出させてくれます。森林浴効果のあるαーピネンを主成分に持っているので、癒しだけでなく、リフレッシュ作用が期待できます。安眠へと誘ってくれるでしょう。
鎮静、強壮、催眠
体:外から体を温めリンパを流す
ヒノキには外側から、じっくりと体を温める働きがあります。冷え性やむくみ、下肢のだるさなどを緩和してくれます。
鎮痛、抗菌、血行促進、消化促進、うっ滞除去、免疫賦活、抗炎症、老化防止、創傷、抗ウイルス
肌:肌の黒ずみを落としてくれる
肌の毛穴を引き締める働きがあります。頭皮環境も整えるので、ベタつきやフケを抑えます。
抗菌、抗炎症、殺菌
その他:防虫、消臭
注意:栄養補助食品として摂取できません。
妊娠中や授乳中、子どもは医師にご相談のうえご使用ください。
ヒノキの使用方法
芳香浴:空気中に散布してもよいでしょう。直接ビンから吸入してもよいでしょう。
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。敏感肌の方はキャリアオイルで薄めてください。
沐浴:バスタブに1、2滴オイルを垂らし、入浴します。
美容:洗顔料やシャンプー、ボディーソープにオイルを1、2滴加え使用します。
家事:数滴オイルを加えた水で水拭きすると、部屋を清潔に保てます。またはキャリアオイル15mlに2、3滴のオイルを入れて、床の艶出しとして使います。同時に香りも楽しめます。
おすすめの活用法
檜風呂が好まれているように、日本人にとっては親しみのある香りです。高齢者のケアに使用すると喜ばれるでしょう。もちろん入浴剤として、バスタブにオイルを垂らすと、血行が良くなり、疲労や筋肉痛、関節痛、むくみの緩和などにうってつけです。
気持ちの沈み:心身の状態を整えてやる気を起こさせる
室内に散布するか、直接ビンから香りを吸入します。または、胸元に1、2滴塗り、深く香りを吸い込みながらエネルギーを充填させます。
むくみ・冷え:静脈やリンパを流しむくみを緩和
バスタブに2、3滴オイルを入れて、体を外側からあたためます。キャリアオイルに1、2滴混ぜて、足や足裏に塗布し、マッサージをするのも有用的です。
毛穴の汚れ:毛穴の中までスッキリに
洗顔料やシャンプーを手に取り、オイルを1、2滴垂らして、洗います。毛穴に詰まった皮脂汚れを落とし、引き締めます。
防ダニ:アレルギーを起こすダニの発生を阻止
スプレー容器に50mlの水を入れ、5滴ほどオイルを加えます。気になる部分に吹きかけたり、拭き掃除をしましょう。
抜け毛・フケ:抗菌、抗炎症作用は頭皮にも有用
ヒノキの持つ抗菌、抗炎症作用によって、頭皮のベタつきを解消でき抜け毛やフケを防ぐことが期待されます。シャンプーにオイルを1、2滴加えるとよいでしょう。
にきび・吹き出物:ヒノキの清潔作用が脂性肌トラブルに
毛穴に詰まった皮脂よごれ、黒ずみを取り除き、にきびや吹き出物対策に適しています。洗顔料などにオイルを1、2滴加えてください。肌を引き締める働きが期待できます。
対応する症状
アレルギー性鼻炎、慢性疲労、頭痛、肩こり、筋肉痛、関節炎、生理痛、月経前症候群(PMS)、むくみ、冷え性、ストレス、うつ、不眠、くま・くすみ、ニキビ・吹き出物、傷、ヘアケア、リフレッシュ
研究報告
抗バクテリア作用:
ヒノキ・エッセンシャルオイルは、抗バクテリア活性を示し、試験管内でメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のバイオフィルム形成を阻害することが判明した(Kimetal.,2015)。
抗炎症作用:
ヒノキ(学名Chamaecyparisobtuse)のエッセンシャルオイルは、プロスタグランジンE2の産生とトランスフォーミング成長因子アルファ遺伝子発現を調節することにより、ラットにおいて抗炎症作用を発揮した(Anetal.,2013).
殺虫作用:
ヒノキエッセンシャルオイルは実験モデルで防虫作用を示し、ハエとダこの活動を抑制した(Ando,1994;Leeetal.,2015)。
鎮静作用:
人数限定した治験で、ヒノキオイルを吸入すると、心拍数と血圧を低下させ、自律神経系に影響を及ぼし、ポジティブな気分をもたらすことが判明した(Chenetal.,2015)。
不安症:
ヒノキ・エッセンシャルオイルによる吸入治療は、母親の分離ラットに見られる不安関連行動を減少させた。この行動はエッセンシャルオイルで治療を受けた母体分離ラットの海馬におけるサイトカイン遺伝子の発現変化によってさらに強調された(Parketal.,2014)。
体内には血液と同じように、リンパ管を流れるリンパ液が張り巡らされています。
栄養や酸素などを全身に送る血液は、心臓というポンプによって、自然と流れていきます。かたやリンパ液は、異物や細菌をブロックし、不要になった老廃物を体の外へ排出する役割を持っています。
普段は筋肉の動きでその流れを促すことができます。しかし、運動不足や長時間同じ姿勢でいると筋肉の運動量が低下し、リンパ液を流せなくなるのです。
そのほかにもリンパがうまく流れない理由は複数考えられます。
その結果、冷えやむくみが生じることになります。老廃物が貯まれば、疲労蓄積にもつながります。
適切に筋肉を収縮させたり、弛緩させて動かすには、運動が最適です。しかしマッサージをすることで、リンパ液を流すことができるため、リンパマッサージがむくみや冷え、肩こりの解消につながるとされています。デトックスも期待できるので、あごや首まわりがすっきりとしたり、体の見た目が変わることもあります。
マッサージする場合は、リンパ節へリンパ液を流すようにマッサージするのが基本です。
リンパ節は800あると言われていますが、セルフマッサージで注力するのは、鎖骨、脇の下、あごの下、腹部、足のつけ根、ひざ裏、耳の前といった7つのリンパ節だけでも大丈夫です。
鎖骨から始めてください。
定期的に行うことで不調ケアにつながります。
そんなリンパマッサージで使うのがマッサージオイルキャリアオイルにエッセンシャルオイルを混ぜて作ってみましょう。香りによってリラックスするのはもちろんですが、オイルが持つ作用を有効利用してください。
ヒノキのように体を温めて、冷え性やむくみを解消してくれるオイルはおすすめです。鼻腔からだけでなく、皮膚からもオイルの作用が体に働きかけてくれるでしょう。
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