ターメリックの基本情報
- 学名:Cucinatongol,1753
- 科名:ショウガ科
- 産地:インド、インドネシア
- 抽出部位・方法:葉・茎から本蒸気蒸留
- 香りの特徴:少しウッティーでスパイシーな香り
- ノート:ミドル
- 香りの強さ:濃度4
- ブレンドの分類:パーソニファイヤー、イクオライザー
- 相性のよい精油:イランイラン、オレンジ、クラリセージ、サイプレス、シナモン
芳香化学成分
- セスキテルペン炭化水素類:αジンギベレン(4.2%)、アール-シルクメン(3.0%)、β-セスキフェランドレン2.8%)
- セスキテルペンアルコール類:ウコンセスキテルベノイド14(1.7%)
- ケトン類:アール-ターメロン(34.9%)、ターメロン(21.3%)、α-ターメロン5.4%)、クルロン(7.3%)、トランス-r-アーアトラントン(1.8%)、トランス-α-アトラントン(1.3%)
- アルヒド類:ヘリフォレン-12-アール(4.5%)
伝統療法で重宝された植物
こぶ状の太い根と鳥の羽のような形をした大きな葉を持つターメリック。根茎はオレンジ色をしていますが、乾燥させてパウダー状にすると鮮やかな黄色になります。抗酸化作用のあるクルクミンという化合物が黄色くさせています。古くから香辛料や染料として使われているほか、インドやインドネシアでは美容や伝統療法でも活用されています。
スーパーフードと呼ばれる万能生薬
ターメリックはショウガ科の多年草であるウコンの英語名です。ウコンは肝機能を増進させると言われて、二日酔い対策に「ウコンドリンク」を飲む人も少なくないでしょう。
古来から中国では漢方の生薬として、日本でも万能薬として認知され、インドでは伝統医学アーユルヴェーダで、消化器や肝臓の不調、関節炎、皮膚の感染症などの治療に幅広く用いられています。
そんなターメリックはスーパーフードと呼ばれて注目を集めています。主成分クルクミンはポリフェノールの一種です。鎮痛作用、肝臓保護やその回復など、さまざまな有用性を持つといわれ、エイジング対策やアルツハイマー型認知症対策に関する研究も行われています。美肌効果も大いに期待できます。毎日のスキンケアにお役立てください。
【有用性】
心:自律神経のバランスをとる
精神的に疲れているときや、気持ちが昂ぶったときなど、リラックス作用と自律神経のバランスを整える作用があります。
精神強壮、高揚
体:消化器系の不調を緩和する
体免疫強化や抗酸化作用、脂質代謝を促す作用があるので、成人病やエイジング対策に役立ちます。
消化促進、強壮(肝臓、免疫)、血液浄化、抗菌、抗酸化、去たん、抗カタル、浄血、血糖値降下、殺菌、抗ウイルス
肌:コンディションを整え美しい肌へ
メラニン色素の産生を防ぎ、肌をダメージから守ります。肌に潤いを与え、コンディションを整えます。
抗炎症、保湿、皮膚再生
使用方法
芳香浴:ピンから直接香りを吸入するか、空気中に散布します。
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。
摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。カプセルに1滴入れて摂取してもいいでしょう。
※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには摂取させないでください。6歳以上の子どもに摂取させる必要がある場合は、さらに薄めて慎重に使いましょう。
沐浴:バスタブに1滴オイルを垂らし、入浴します。
美容:キャリアオイルで薄めて使うか、化粧水や乳液、クリームに1、2滴加えて使えます。
家事:カレーなどに1滴入れると風味もよくなり、薬膳としても役立つでしょう。
おすすめの活用法
夏バテや胃腸が疲れているとき、または、油っこい食べ物やお酒が好きな方にうってつけの精油です。肝臓に負担をかけている方は、生活習慣病への対策にターメリックを活用してください。
肌トラブルお肌にうるおいを与えトラブルをケア
キャリアオイル15mlに1、2滴を加え、気になる部分に塗布します。化粧水などのスキンケアにオイルを1滴プラスしてもいいでしょう。
消化不良胃もたれを緩和し消化吸収をサポート
キャリアオイル30mlに1、2滴を加え、胃と足をマッサージします。
腸の働きをよくし、便秘の緩和にもおすすめです。
生理痛や関節炎などの痛み温湿布で痛みを和らげる
お湯を張った洗面器に2、3滴垂らし、タオルを浸します。しっかり絞ったタオルを痛みのある場所にのせて温湿布します。
気分を落ちつかせる高ぶった心を鎮めてくれる
ディフューザーに4~6滴垂らし、香りを拡散させます。スポーツや仕事の後、高ぶった気持ちを鎮めるサポートもします。
対応する症状
消化不良、疲労、関節炎、シミ・シワ、大腸炎、疝痛、創傷、せき、高血圧、下痢、肝臓の不調、皮膚の感染症、痒み、月経痛、くま・くすみ、メタボ、虫さされ・かゆみ、リラックス
注意:妊娠や授乳中、持病がある方は医師にご相談のうえご使用ください。
研究報告
抗炎症作用:
実験室試験で、ターメリックオイルに含まれる芳香化合物、テルメロンは抗炎症作用を示すことが判明した(Ohetal.,2014)。
血栓:
ターメリックオイルはマウスの誘発血栓症モデルにおいて血管内血小板凝集を抑制することが判明した(Prakashetal.,2011)。
神経系の健康:
ターメリックオイルの成分である芳香化合物ターメロン(アール-ターメロン)は、試験管内でもマウスモデルでも神経幹細胞の増殖を誘導することが判明した。
てんかん:
芳香化合物ターメロン(アール-ターメロン)は、誘発されたてんかん発作マウスモデルにおいて、神経系副作用を引き起こすことなく痙攣を軽減することがわかった。アール-ターメロンはまた、血液脳関門を通過することが判明した。
神経保護作用:
虚血性脳卒中のマウスモデルにおいてターメリックルオイルは、神経細胞の残存率を増加させることが判明した(Preetietal.,2008)。
神経保護作用:
ターメリック・エッセンシャルオイルの芳香化合物ターメロン(アール-ターメロン)は、マウスモデルにおいて、炎症を抑制することによって脳内の神経細胞を損傷から保護することが判明した(Chenetal.,2018)。
皮膚:
アール-ターメロン(ターメリックオイルの成分)は、水虫や白癬などの皮膚症状の原因となるいくつかの真菌の増殖を抑制することが判明した
(Mukdaetal.,2013)。
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