【ダグラスファー】の基本情報
- 学名:Pseudhiswego tsenzien (Mirl} Franco 1950
- 科名:マツ科
- 産地:ニュージーランド、カナダ、フランス
- 抽出部位・方法: 枝と針状の葉から水蒸気蒸留
- 香りの特徴:森の中にいるようなウッディーな香り
- ノート:ミドル
- 香りの強さ: 濃度3
- ブレンドの分類:イクオライザー
- 相性のよい精油: シダーウッド、フランキンセンス、ジュニパーベリー、ラベンダー レモン、オレンジ
芳香化学成分
- モノテルペン炭化水素類: β-ピネン(23.1%)、サビネン (15.3%)、
テルビノレン (8~テルビネン)(14.9%)、 8-3-カレン(9.1%)、 α-ピネン(5.9%)、アーデルピネン(3.2%)、 ミルセン(2.2%)、 リモネン(1.8%)、 α-テルピネン(1.7%)、 B-エランドレン(1.4%) - モノテルペンアルコール類:テルピネン
4 オール(6.4%)、シトロネロール(1.9%) - エステル類:シトロネリルアセテート(酢酸 シトロネリル)(4.6%)、酢酸ゲラニル(2.2%)
米松の名で知られる北米大陸の針葉樹
日本で米松(ベイマツ)と呼ばれているダグラスファーは、別名をアメリカトガサワラといいます。北米を中心に育つ針葉樹で、樹高は100mにもなる巨木です。木目が美しいことから住宅建材として重用され、葉や樹皮は古くから民間薬として使われています。
ウッディーで甘い香り
現在はクリスマスツリーとしてよく用いられるダグラスファーですが、北米に暮らすインディオたちはその葉や樹皮を民間医薬として活用してきました。実際、ダグラスファーには抗菌、抗ウイルス作用があり、風邪やインフルエンザなどの感染症対策に有用であるとされています。また、ダグラスファーのオイルに含まれる香成分α-ピネンには森林浴効果があります。心を癒して強さを与えて、神経疲労を回復しストレスを軽減させるなどのメンタルサポート力にも期待できます。頭脳を刺激して集中力のアップを助ける力もあり、思考と感情のバランスを整えてくれます。
ダグラスファーの持つ肌を引き締める収れん作用や洗浄作用に期待し、欧米ではボディーソープやシャンプーにオイルを加える使い方も。
【有用性】
心:集中力・思考力アップ
森林浴効果で心身を癒やし、前向きな気持ちにさせます。頭脳を刺激するので、集中力や思考力を高めたい時にもおすすめ。
鎮静、抗うつ
体:抗炎症、鎮痛作用で痛みを緩和
抗菌作用が高く、呼吸器系に働きかけます。また血行促進や抗炎筋肉、関節、骨のケアにも力を発揮。
利尿、去たん、鎮痛、抗炎症、抗菌、消毒、血行促進、殺菌、抗ウイルス
肌:皮膚の清潔を保つ
肌を浄化し、引き締める作用があります。ターンオーバーが乱れ、くすみが気になる肌を透明感のある美肌へ導きます。
皮膚の浄化、収れん
注意
妊娠中や授乳中、子どもは医師にご相談のうえご使用ください。栄養補助食品として摂取できません。
使用方法
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。敏感肌の方や子どもはキャリアオイルで1:1以上に薄めてください。
沐浴:バスタブに1、2滴オイルを垂らし、入浴をします。
美容:お手持ちの化粧水や乳液、クリームなどにオイルを1、2滴加えて、いつものお手入れをしてください。
家事:洗濯のすすぎの際、オイルを数滴プラスして消臭を。
おすすめの活用法
お部屋に香りをディフューズして呼吸を楽にしたり、集中力をアップさせて効率的に仕事や勉強に取り組んだりすることができます。コップにぬるめのお湯を入れてオイルを1滴垂らして蒸気を吸い込んでもよいでしょう。スプレー式容器に水と一緒に入れて定期的に散布することで除菌、消臭効果も期待できます。また、患部に塗布してマッサージすることで関節炎や筋肉痛、リウマチをケアします。
せき、喘息、気管支炎せきを鎮めて呼吸をらくに
ハンカチやティッシュペーパーに1、2滴垂らし、ゆっくり鼻から吸入します。喉と胸にオイルを1、2滴塗布するのもおすすめです。
くすみ老廃物をオフして肌の透明感をアップ
洗顔料やボディーソープを手に取り、オイルを1滴加えると、洗浄力が高まります。シャンプーに加えれば、頭皮もスッキリします。
筋肉痛足湯やマッサージで筋肉痛を暖和する
洗面器にお湯をはり、オイルを2、3滴入れ両足を15~30分ほど浸けます。キャリアオイル15mlに1、2滴を混ぜ患部をマッサージします。
部屋の除菌ウッディーな香りで室内をさわやかに
50mlの蒸留水に対して、10滴を加えたものをスプレー容器などに入れ、室内に散布します。定期的に行うと除菌と消臭ができるので衛生的です。
対応する症状
風邪、喘息、気管支炎、せき、インフルエンザ、筋肉痛、関節炎、リウマチ、不安、緊張、ストレス、うつ、くまくすみ、ヘアケア、集中力、リラックス
研究報告
気管支炎慢性気管支炎患者では、ローズマリー、バジル、ファー、およびユーカリオイルが抗酸化作用を示すことが判明した(Siurinetal.,1997)。
Column①ブレンドオイルのシナジー効果と注意点
ダグラスファーは樹木の甘い香りだけでなく、レモンのような爽やかで清々しい香りもあるため柑橘系オイルとの相性がよく、レモンやオレンジなどのオイルとブレンドすることでリフレッシュ力の向上が期待できます。
このように、エッセンシャルオイルはブレンドすることで各オイルのシナジー効果によって、さらに力を発揮することができます。
市販されているブレンドオイルは科学的研究の成果をもとに安全につくられていますが、オイル同士の相性を吟味しながら、ご自身の好みや目的に合ったブレンドオイルをつくってもよいでしょう。
ただし、その際は各オイルの使用上の注意を必ず確認し、特に塗布や摂取が禁止されているときは決してそのような使い方をしないよう注意してください。
また、短期間に使い切れる量だけをつくることが望ましく、アロマコスメを手作りする場合は10日以内を目安に使い切るようにしてください。
オイルひとつひとつの働きと注意事項をしっかり把握し、上手に活用しましょう。
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