【セロリシード】-心身をやさしくなだめる 甘くスパイシーな香り-

薬効が高いと珍重された植物

スウェーデン原産のセリ科植物。和名はオランダミツバともいう、独特な香りを持つセロリは、ヨーロッパからインドにかけての湿地帯に自生する植物です。

現代のように茎を食べるようになったのは、17世紀以降のことですが、種子を利用していた歴史は古く、古代より薬効が認められており、ツタンカーメン王の墓からも発見されています。主に整腸剤や強壮剤、香料など、薬草として扱われてきました。

古代ギリシャ・ローマ時代には、死者を葬る際の臭い消しや魔除けとして使用していたといわれているなど、宗教儀式の場面にもしばしば登場しています。

独特な香りに含まれるさまざまな有用成分

日本ではあまり馴染みのないセロリシードですが、海外では香辛料やハーブティーとして利用されているほか、コスメ用品や入浴剤などにも香料が含まれています。セロリシードはその名の通り、種子から抽出したオイルです。

セロリを濃縮した香りと称され、セロリと同じく好き嫌いが分かれる香りでしょう。しかし、その独特な香りにさまざまな有用成分が含まれています。

なかでも、関節に溜まった尿酸を溶解したり、血液もキレイにする働きが注目され、関節痛や神経痛、リウマチ、痛風などの緩和に用いられていました。

【有用性】

心:精神のバランスを整えて不眠にアプローチ

鎮静と強壮の両方へ作用する香りは、心のバランスを整えます。不安やストレスに強くさせ、神経性の不眠の緩和に役立ちます。

鎮静、強壮

体:むくみのケアやデトックスに有用

利尿、血液の浄化・解毒作用に優れ、むくみをケアし、心臓の負担も軽減。お腹の調子を整えたり、子宮を刺激し月経も整えます。

駆風、浄化、解毒、利尿、血圧降下、抗酸化、健胃消化促進、食欲増進、通経、
日経促進、抗菌、腸蠕動活性、保温、腎臓、排泄促進

肌:白く輝く美肌に

メラニン色素の沈着を防ぐ効果が期待されています。瘢痕形成作用もあり、日焼けやニキビ跡のケアに役立ちます。

瘢痕形成、美白、抗炎症

注意:年数が経ったり、酸化したオイルは、刺激を感じることがあります。妊娠中、授乳中の方は、医師にご相談ください。

使用方法

芳香浴:空気中に散布してもよいでしょう。

塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。

摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。

※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。

※6歳未満の子どもには摂取させないでください。6歳以上の子どもに摂取させる必要が
ある場合は、さらに薄めて慎重に使いましょう。

沐浴:無香シャンプー30mlにオイルを1滴入れ、シャンプーします。フケ対策に効果が期待できます。

美容:キャリアオイルで薄めて使うか、化粧水や乳液、クリームに1滴加えて使えます。

おすすめの活用法

消化や循環器、神経系をサポートします。オイルの摂取や体のマッサージを日課にするといいでしょう。とくに尿トラブルや月経トラブル、関節の痛み、むくみなどの緩和に役立ちます。

また、内側と外側から肌をケアするので、美肌づくりにも適しています。

消化促進・デトックス体がスッキリしてむくみも緩和

朝と夜の1日2回、オイル1、2滴を空のカプセルに入れて飲みます。お腹の張りやむくみもケアして、健康的な体に整えます。

不眠体と心をリラックスさせて良質な眠りに

バスタブにお湯を入れて、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)とオイル3、4滴を入れます。血行促進で関節の痛みにも効果的。

むくみオイル摂取とマッサージでむくみをケア

キャリアオイル30mlにオイル3、4滴を加えて混ぜ合わせます。むくみが気になるところに塗り、なでるようにマッサージ。

シミメラニン色素の沈着を防ぐ働きで透明感のある美肌に

化粧水や乳液、クリームなどにオイル1滴を加えて肌に塗ります。日焼け後は、コットンパックをしてもいいでしょう。

対応する症状

消化不良、便秘、下痢、お腹の張り、食欲不振、過労、関節痛、神経痛、リウマチ、痛風、風邪、膀胱炎、尿トラブル、月経不順、傷の痕、肌の赤み、セルライト、ストレス、不安、むくみ、月経痛、不眠、くま、くすみ、シミ・シワ、ニキビ・吹き出物、リラックス

研究報告

腫瘍:

セロリシードオイルから抽出した2つの化学物質である3n-ブチルフタリドおよびセダノリドによる治療を成年および若年のメスマウスにおいて行ったところ、ベンゾ[a]ピレン誘発腫瘍がそれぞれ68%から30%および11%に減少した
(Zhengetal.,1993)。

フケ:

セロリシードオイルから分離された化学物質は、頭皮の発赤と刺激を軽減し、フケを減少させることがわかりました(Mondonetal.,2017)。

Column①薬に調味料に大活躍のセロリ

くせがあり好みが分かれるセロリですが、古代や中世においては万能薬と呼ばれていたそうです。ビタミンB、C、Eやβカロテンなどのビタミンが多く含まれており、抗酸化に働きかけ、美肌作りへの働きが期待できる食材です。

セロリシードオイルだけでなく、普段の食事からもセロリを摂ることを意識するとよいでしょう。生食のイメージが強い食材ですが、お肉、魚のにおい消しや、スープの香りづけなど、香味野菜として欠かせない食材です。

また、カレールーやソース、肉類の加工食品などに使われることも多く、セロリは幅広いジャンルの料理で活躍する万能野菜です。

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