【ゼラニウム】-ストレスを和らげる甘い香り虫除けにも効果を発揮-

シングルオイル

豊かに茂る緑の葉が特徴的

学名の「Pelargonium(ペラルゴニウム)」は、ゼラニウムの種子の形がコウノトリのくちばしに似ていることが由来となっているそうです。

ふっくらと弾力のある葉は鮮やかな緑色で土壌が見えないほど密集して茂ります。中世のヨーロッパでは悪霊の侵入を防いでくれるとされ、玄関先に植えられました。

ローズを思わせる甘い香り

ローズのような甘い香りがするゼラニウムのエッセンシャルオイルは、古くから香水の原料として活用されてきました。ブレンドするときには香りを整える目的で使われます。

少量でも華やかな香りを放つので、ブレンド時には少ない量からお試しください。成分もローズと同じものが含まれ、若返りの精油として人気があります。感情のバランスを整えて、気持ちをおだやかにしてくれます。皮脂やホルモンの分泌を調整するので、肌のくすみやにきびなどの肌トラブル、更年期障害や生理痛などの緩和にも繋がります。

スキンケアなどに用いられることの多いオイルですが、まれに肌刺激があるため、敏感肌の方は注意してご使用ください。十分に希釈して使ってください。

【有用性】

心:ストレスや緊張を和らげる

ゼラニウムの香りには気持ちを高揚させる力があります。落ち込んでいるとき、心を励ましてくれるでしょう。

鎮静、抗うつ、爽快感、リラックス

体:ホルモンの分泌を促がす

ホルモン分泌を促し、バランスの乱れを整える働きがあります。
月経不順や更年期障害など女性特有の症状に作用します。

抗バクテリア、抗痙攣、利尿、強壮、エストロゲン様、血糖値低下、抗ヒスタミン、抗酸化、防腐、抗ウイルス、抗炎症、消化促進

肌:皮脂のバランスを整える

皮脂腺から分泌される肌の皮脂バランスを整える働きがあり、肌をふっくらとした状態に保ちます。

消炎、収れん、止血、瘢痕形成、皮脂分泌調整、皮膚軟化

その他

防虫、虫よけ

使用方法

芳香浴:空気中に散布してもよいでしょう。

塗布:体の一部分に使用するには、オイルとキャリアオイルを1:1の希釈率で薄めます。反射区やツボと患部、気になる部分に塗ります。必ず希釈し、敏感肌の方は更に薄めてください。

摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈してください。

※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには摂取させないでください。6歳以上の子どもに摂取させる必要がある場合は、さらに薄めて慎重に使いましょう。

沐浴:バスタブに1、2滴オイルを垂らし、入浴をします。
美容:キャリアオイルで薄めて使うか、化粧水や乳液、クリームに1滴加えて使えます。

家事:コットンに2、3滴垂らし置くと、防虫効果が期待できます。

おすすめの活用法

リンパ系や肝臓、腎臓への強壮作用があります。また、ホルモンバランスを整えるので、月経前や更年期による感情の乱れにおすすめです。

PMS(月経前症候群)生理痛や月経過多更年期のトラブルに

ホルモンバランスを整え、女性特有の悩みをケアします。お湯をはったバスタブにオイルを2、3滴垂らし、体をしっかり温めましょう。

肌や髪のトラブル皮脂バランスを調整し美しい肌や髪に

乳液には1滴、シャンプーやコンディショナーには2、3滴のオイルを加えましょう。フェイシャルスチームに使用するのもおすすめ。

注意
塗布する際は、薄めてご使用ください。繰り返し使用するとアレルギー反応が起きることがあります(接触感作)。

スキンケア皮脂分泌を調整し肌の状態を整える

肌の皮脂腺から分泌される皮脂のバランスを整え、ふっくらとした状態を保ちます。妊娠中の方にもよいでしょう。オイリースキンの方にはクレンザーとしても適しています。肌のくすみが明るくなることに期待できます。

ストレスケアハチミツを使った全身浴足浴で心身をリフレッシュ

ストレスや不安を抱いている人は、アロマバスでの全身浴や足浴がおすすめです。

また、ゼラニウムは、相性のよいハチミツと混ぜ合わせて、お湯に加えてください。荒れた肌のケアやくすみ解消が期待できます。

バスタブに40°C前後の湯をはります。ハチミツ大さじ2(30ml)にゼラニウムを5、6滴垂らし、よく混ぜてから、お湯へ。お湯をよくかき混ぜてください。

虫除けミツロウで虫除けクリームを作る

虫除け作用のあるゼラニウムは、コットンに1滴垂らして器に入れて、置いておくと、蚊取り線香の代わりにもなります。

また、ミツロウと混ぜれば、虫除けクリームも作れます。器にミツロウ6gとホホバオイル30mlを入れて、弱火で湯煎しながらかき混ぜます。

5分ほどして溶ければ、ビンへ移し、混ぜながら冷まします。周りがうっすらと白くなったら、ゼラニウムを6~8滴加えてさらにかき混ぜ、固まったら完成です。

対応する症状

ニキビ・吹き出物、肌のくすみ、神経痛、やけど、湿疹、うつ、消化不良、不眠、月経疾患、白癬、ヘルペス、のどの痛み、創傷、更年期障害、冷え症、肩こり、肉体疲労、下痢、むくみ、月経痛、頭痛、ストレス、乾燥肌、メタボ、二日酔い腰痛、普通肌、デオドラント

研究報告

抗バクテリア作用:

ゼラニウムのオイルにシトリサイダルを混ぜると、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対して、強烈な抗バクテリア効果があった。ゼラニウムとティーツリーは、黄色ブドウ球菌に対して、強力な抗バクテリア効果を示した(Edwards-Jonesetal.,2004)。

抗バクテリア作用:

レモングラスとゼラニウムのオイルを配合して15時間散布すると、オフィス環境の空気中のバクテリアが89%減少した(Doranetal.,2009)。

抗痙攣作用:

エッセンシャルオイル数種の成分であるリナロールは、ラットの実験で、NMDAレセプター複合体に直接相互作用を行うことにより、ラットの誘発痙攣を抑制した(Brumetal.,2001)。

抗炎症作用:

ゼラニウムオイルをマウスの体の一部分に塗ると、蓄積した好中球(白血球細胞)の炎症反応が減少した(Maruyamaetal.,2005)。

マダニ除け:

ゼラニウムエッセンシャルオイルのセスキテルペンアルコールは、ロンスターダニ(Amblyommaamericanumマダニの一種)に対して効果的な防虫剤であることが証明され、0.052mgを超える濃度では、このオイルはDEETの防虫作用に匹敵した(Tabancaetal.,2013)。

男性不妊:

精子障害を引き起こすことが知られている有害な殺虫剤にさらされたオスのマウスは、ゼラニウムエッセンシャルオイルの抗酸化効果が有効的に作用し治療に成功した。対照群と比較して、ゼラニウムオイルの経口投与は、精巣酸化損傷を回避し、脂質過酸化を減少させ、またマウス精子における総精子運動性、生存率、および形態の改善をもたらした(Slimaetal.,2013)。

ホルモンバランス:

ゼラニウムとローズのオイルにさらされた閉経周期の女性達は、対照の香りにさらされた女性達と比較して、唾液中エストロゲン濃度が高いことが判明した{Shinoharaetal.,2017)。

Column①ストレスは高血糖、高血圧の要因になる

ストレスを受けると、副腎髄質からアドレナリンとノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは、体内のグリコーゲンを分解して血糖値を上昇させる働きがあります。このとき血圧も上昇し、ストレスに長くさらされると、血糖値や血圧を上げてしまうのです。

またノルアドレナリンも、抹消血管を収縮させて血圧を上昇させます。血圧は、心臓が血液を押し出す圧力のことを言いますが、ストレスで交感神経優位の状態になったり、2つのホルモンの作用で血管の筋肉が収縮したりすると、心臓の大動脈からの出口が細くなり、血液を押し出す力を強くする必要が出てきます。

これが血圧を上げるメカニズムです。また、血液の量は水分と塩分の量によって決まるため、塩分のとりすぎには注意が必要です。

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