強い生命力が特徴のハーブ
レモングラスと同じく細く長い葉が特徴のイネ科の植物です。インドネシアやスリランカなど主に亜熱帯地方に生息し、1mほどの高さにまで成長します。
丈夫で、切ってもすぐに伸びる強い生命力を持っています。古くから葉を蚊帳に編み込むなどして、虫よけとして使われていました。
またリウマチなどの鎮痛に利用されてきたほか、シトロネラの葉は熱や腸内寄生虫、消化器不良や生理不順にも利用されてきました。
メリッサに似たレモンのような香り
レモンのような香りはメリッサにも似ています。19世紀になると「オーリアム・シレー(oleum-siree)」とも呼ばれ、もてはやされるようになりました。メリッサは神経を休め、シトロネラは心を高揚させる働きがあるといわれています。
香りはシトラス系ですが、光毒性のあるフロクマリンを含まないため、さまざまなものに活用されています。
【有用性】
心:落ち込んだ気持ちをスッキリに
ネガティブな気持ちを和らげて、前向きで明るい気分にさせます。気持ちを切り替えたい、リフレッシュしたいときにおすすめです。
抗うつ、浄化、高揚
体:痛みを和らげ感染症に備える
抗菌、抗感染作用があり、風邪やインフルエンザ対策に役立ちます。また、頭痛やリウマチなど体の痛みを緩和する働きもあります。
鎮痛、殺菌、抗寄生虫、抗菌、抗ウイルス、抗真菌、抗感染、免疫向上、抗炎症、抗痙攣、鎮痙
肌:肌を清潔に保ってにおい対策
汗を防いだり、殺菌作用があるため、気になるにおいを緩和します。脂性肌やべたつきが気になる頭皮のケアにもいいでしょう。
殺菌、皮膚軟化、制汗、デオドラント
その他
昆虫忌避、防虫
MEMO①雑菌がもたらす汗くささ
汗を分泌する汗腺は2種類あり、エクリン汗腺とアポクリン汗腺といいます。汗くさいとよく言われますが、実はにおいを発しているのは汗ではありません。汗自体は無臭で、汗や皮膚の汚れをえさにした雑菌がにおいの原因になります。
注意
刺激を感じることがあります。敏感肌の方は薄めて使用しましょう。妊娠中は注意してご使用ください。摂取する方は、使用前に医師や薬剤師にご相談ください。
使用方法
芳香浴:空気中に散布するか、直接吸入します。
塗布:体の一部に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。
摂取:飲み物や食べ物などに入れることができます。水125ml、またはハチミツ5mlにオイル1滴を目安に希釈。また料理の香り付けにも使用することがあります。
※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。6歳未満の子ともには摂取させず、6歳以上の子どもに摂取させる際は、さらに薄めてください。
家事:自宅や外出先でコットンにオイルを2、3滴垂らし置きます。高い防虫作用があるため、虫を寄せつけません。
おすすめの活用法
虫のなかでも蚊を寄せつけない香りとして知られるシトロネラ。防虫作用も優れ、大切な衣類も虫から守ります。
また、防臭、消臭作用が高く、体臭や口臭、家の中の気になるにおいを防ぎ、汗や体臭へのデオドラント作用もあります。菌の繁殖を抑えるので、食品の防腐にも期待できます。
虫よけ小さな子どもでも安心天然の虫よけ
ディフューザーにオイルを3、4滴入れて、香りを拡散させます。外出時は、キャリアオイルで薄め、肌に塗るか、原液を服やリボンにつけてもよいでしょう。
防虫クローゼットを香らせて衣類を虫から守る
コットンにオイルを数滴垂らし、クローゼットやタンスの引き出しなどに入れます。シダーウッドとブレンドオイルを作って、使用するとより効果的。
野外活動快適なアウトドアのためにオイルを活用
キャリアオイル15mlに3滴加え、肌が露出したところに塗布します。アウトドアやキャンプ中に使うとおすすめです。
ハウスクリーニング汚れやにおいの元にアプローチ
スプレー式容器に水30ml、オイル4、5滴を入れ、よく振ります。においが気になるトイレや玄関などの拭き掃除に使います。
対応する症状
頭痛、風邪、インフルエンザ、リウマチ、神経痛、筋肉痛、肩こり、うつ、ストレス、デオドラント、防腐、月経痛、水虫、消化不良、ヘアケア、リフレッシュ、口臭
研究報告
虫除け作用:
クローブ、シトロネラ、パチョリのオイルは、3種類の蚊を効果的に撃退し、クローブは24時間最高レベルの100%の忌避効果を発揮することが判明した(Trongtokitetal.,2005)。
虫除け作用:
シトロネラオイルは、Amblyommacajennense(ロッキーマウンテンの紅斑熱を運ぶことが知られている一種のダニ)の若虫を高濃度で最大35時間効果的に忌避することがわかった(Soaresetal.,2009)。
虫除け作用:遅効性シトロネラ製剤は、コントロールと比較して小学生のアタマジラミ
の感染を大幅に減らすことがわかった(Murncuogluetal.,2004)。
抗バクテリア作用:
シトロネラエッセンシャルオイルは、さまざまな水生動物からの36の
細菌分離株と7つの細菌株を含む、テストされたすべての細菌に対して抗菌活性を示した。これらの結果は、水産養殖用の市販抗生物質の代替としてのシトロネラオイルの可能性を示す(Weietal.,2013)。
抗真菌作用:
シトロネラエッセンシャルオイルは、カンジダアルビカンスの15株に対して抗真菌活性を示した(deOliveiraetal.,2011).
抗真菌作用:
シトロネラエッセンシャルオイル(C,winterianus)は、臨床試験で皮膚の問題を引き起こす真菌である紅色白癬菌を阻害することがわかった
(deOliveiraetal.,2011)。
鎮痙作用:
シトロネラエッセンシャルオイルは、動物モデルで誘発発作の数を減らすことがわかった(Quintans-Junioretal.,2008)。
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