昔から多くの地域で栽培
紀元前2000年頃から栽培されており、ツタンカーメンの墓からもコリアンダーシードが見つかっています。エジプトではコリアンダーは野生ではなく、すでに栽培されていたとされ、学名のsativumも「栽培された」という意味に由来しています。背丈50cm.の1年草で、小さい種子のような果実からエッセンシャルオイルを採取します。
料理にも人気の甘い芳香
種子はシトラスの香りを含んだ華やかなスパイス調、葉は好き嫌いの分かれるクセのある味で、多くの国で料理のスパイスに使用されています。スペインではシラントロ、インドではダニア、中国では香菜、タイではパクチーと名称が変わります。刺激作用が働き、心にやる気と活力を与え、創造力や希望の力をとり戻してくれるでしょう。
【有用性】
心
疲れているときにリフレッシュ
刺激作用が働き、疲れた心を高揚させてくれます。集中力や記憶力を高める効果が期待できます。気持ちがリフレッシュするでしょう。
刺激、抗うつ、イライラ解消、鎮静
体
腸内環境がスッキリ
お腹に溜まったガスを排出させ、消化不良を緩和。胃や腸の調子を整え、食欲を取り戻します。
消化促進、脂肪溶解、鎮痛、抗バクテリア、抗真菌、抗酸化、抗リウマチ、抗痙攣、刺激(心臓系、循環系、神経系)、消炎
肌
デオドラント効果を発揮
菌の増殖を抑え、デオドラント効果が期待できます。足裏や脇の下など雑菌が繁殖しやすい場所に。
抗菌、デオドラント
MEMO①
ワインなどの香りづけにも使用
インドでは肉の腐敗を遅らせるために使用されるだけでなく、心地よい睡眠のためにも使われているコリアンダー。ギリシャやイタリアではワインの香りづけにも用いられています。また有名なリキュール類シャルトルーズやベネディクティーヌなどのフレーバーにも使われています。
注意:妊娠中や授乳中、アレルギーがある方、お子さまは医師にご相談のうえご使用ください。多量に使用することで、神経が麻痺することがあるので注意しましょう。
使用方法
芳香浴:空気中に散布してよいでしょう。
風邪の季節にディフューザーやアロマファンを使って室内に拡散するとインフルエンザ対策になります。
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1,2滴塗ってください。
摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。
※米国食品薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには使用しないでください。6歳以上の子どもには、さらに薄めて、慎重に使いましょう。
沐浴:バスタブに1,2滴オイルを垂らし、入浴します。風邪への対策に期待できます。
美容:キャリアオイルで薄めて使うか、化粧水や乳液、クリームに1滴加えて使えます。
おすすめの活用法
腹部に塗ったり、吸入することで、消化不良や胃腸の不快症状に役立ちます。さらに血行を促進して体を温め、老廃物を排出してくれるでしょう。催淫作用や食欲を増進させる力もあるので、やる気のでないときや元気がないときに、吸入やマッサージがおすすめです。
消化不良胃腸の調子を整え食欲をとり戻します
1,2滴を腹部に塗布します。カプセルに入れて飲んでもいいでしょう。下痢や便秘など胃腸の調子を整える整腸作用もあります。
無気力スパイシーな芳香が心に刺激をあたえます
50mlの水を入れたスプレー式容器に10滴入れて混ぜ合わせます。顔に吹きかけたり、室内に散布して香りを深く吸い込みましょう。
料理の香りづけ香りがよく食欲も増進!
アジアン、中華料理によく合います。肉や魚の下味やソースに1滴入れてください。栄養補給に豆乳やジュースに入れてもいいでしょう。
肌のくすみ毛穴の汚れを落とし素肌に自信がもてます
キャリアオイル20mlにオイル2、3滴を加えて、顔のマッサージをします。毛穴の黒ずみや汚れが落とせて肌の透明感がアップします。
対応する症状
下腹部膨張感、下痢、消化不良、食欲不振、風邪、インフルエンザ、筋肉痛、関節痛、ニキビ・吹き出物、皮膚炎、火傷、うつ、緊張、不安、ストレス、無気力、関節炎、疝痛、消化器系の痙攣、痛風、感染(一般)、麻疹、偏頭痛、吐き気、筋肉疲労、神経痛、痔、血流やリンパの滞り、リウマチ、皮膚(脂性肌、毛穴の黒ずみ、その他の汚れ)、肩こり、月経不順、便秘、ダイエット、イライラ、月経痛、くまくすみ
研究報告
抗痙攣:
ラットの実験において、いくつかのエッセンシャルオイルの成分であるリナロールが、NMDAレセプター複合体に直接作用して、誘発痙攣を抑制することが判明した(Brumetal.,2001)。
関節炎:
コリアンダー抽出物は、一定の量を摂取している限り、誘発関節炎の2つのマウスモデルにおいて、関節腫脹の抑制をもたらした(Nairetal.,2012)。
アルツハイマー病:
β-アミロイド・アルツハイマー病のラットモデルにおけるアルツハイマー病の症状において、コリアンダーオイルの吸入が抗不安作用、抗鬱作用、および抗酸化作用を有することが判明した(Cioancaetal.,2014)。
アルツハイマー病:
対照と比較した場合、コリアンダーオイルの反復吸入は、βアミロイド・アルツハイマー病のラットモデルにおいて記憶障害および酸化損傷を防ぐことが判明した(Cioancaetal.,2013)。
解毒:
コリアンダー抽出物はラットの脳内鉛毒性に対して、保護的役割を果たすことが判明した(Velagaetal.,2014)。
痛み:マウスに急性および慢性疼痛試験を行った場合、マウスへのコリアンダー抽出物の投与は、デキサメタゾン(抗炎症薬)またはストレスよりも鎮痛作用が高いことが判明した(Taherianetal.,2012)。
MEMO②
個性は自分へのギフト
コリアンダーは、本当の自分を大切にできるよう助けてくれます。一人ひとり違う個性は、自分へのギフトだということに気づけるはずです。
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