心臓の形の種子が名前の由来
種子が心臓の形をしていることから、ヒンディ語のカルディア(心臓)が名前の由来。高度750~1500mの高温地帯に生息する多年草で、草丈は2~3mほどです。種子が精油の原料となります。種をよく乾燥させるほどに抽出量が増え、熟成の程度により化学成分も変化していきます。
インドで愛されるスパイスの女王
カルダモンはさまざまな用途で人々に愛されてきました。インドの医学書「アーユルヴェーダ」には、3000年以上前から生薬として使われていたとの記述があります。古くから使われている高価なスパイスのひとつで、インド商人たちからは「スパイスの女王」とも呼ばれていました。カレー粉やチャイのスパイスとしてもおなじみで、中東諸国ではコーヒーにカルダモンを入れて飲む文化もあるようです。また北欧では、バイキング時代に戦利品として持ち帰ったことから広まり、パンや菓子の香りづけに使われるようになったといいます。
このようにカルダモンは、世界中で今も愛用されており、すっきりとして甘みのある香りは、さまざまな料理やデザート、飲み物に合います。主に消化器系の不調の緩和が期待でき、調味料としても重宝されています。
【有用性】
心
リラックス&集中力アップ
甘みのあるスパイシーな香りが不安や恐れを緩和し、気持ちがリラックス。また脳を刺激し、やる気を高めます。また頭をクリアにし、リフレッシュしてくれます。記憶力や集中力アップにも。
鎮静、頭脳明晰、催淫作用
体
消化器と呼吸器を助ける
成分に、消化器系に作用する酢酸テルピニルと、呼吸器に作用する1.8シネオールが含まれており、不調に働きかけます。お腹のハリや痛みを和らげます。
消化促進、駆風、去たん、抗炎症、健胃、抗真菌、抗ウイルス、鎮痛、強壮、利尿、鎮痙、
口においのトラブルに役立つ
唾液の分泌を促し、口内を清潔に保つ働きがあります。そのため、虫歯や口臭などさまざまな不快症状の緩和に役立ちます。口臭だけでなく、汗などの体臭にも効果的です。
抗菌、唾液分泌促進、デオドラント
使用方法
芳香浴:少量を空気中に散布します。
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。
摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。水を入れたコップに1、2滴垂らして口に注ぐと口臭が防げます。
※敏感肌の方は肌に炎症を起こすことがあるので、キャリアオイルで薄めて使用しましょう。
※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには使用しないでください。6歳以上の子どもには、さらに薄めて、慎重に使いましょう。
おすすめの活用法
胃の不調消化を助け機能を活性化させます
1カップのお湯に1滴入れて飲みます。胃もたれを緩和し、消化を促進。食欲増進にも効果が期待できるでしょう。
便秘・下痢腸を整え正常に戻す働き
キャリアオイル15mlに1、2滴入れ、手にとり腹部を優しくなでます。お腹のハリや痛みが和らぐでしょう。
対応する症状
消化不良、胃潰瘍、吐き気、下痢、便秘、気管支炎、喘息、カタル症状、腰痛、不安、ストレス、集中力の低下、口臭、加齢臭、むくみ、眼精疲労、健胃、血行促進、真菌、ウイルス、鎮痛、強壮、利尿、腹部膨満感、食欲不振、胃腸機能の低下、冷え性、気力減退、風邪、せき、筋肉の痙攣、肩こり、頭痛、ニキビ・吹き出物、胸焼け、のどの痛み、リラックス
◆研究報告
呼吸器系:
マウスへのカルダモンの投与は、パンマサラ(インドで販売されているハーブとタバコの混合物)に誘発されるマウスの肺の損傷に対して保護効果があることが判明した(Kumarietal.,2013)
抗バクテリア作用:
カルダモンエッセンシャルオイルは、他12種類のエッセンシャルオイル、そしてカルダモンエッセンシャルオイル単独の成分と比較して、枯草菌胞子に対して強力な抗菌活性を有することが判明した(Lawrenceetal.,2009)。
抗炎症作用:
カルダモンエッセンシャルオイルはラット足浮腫を対照値の76%減少させ、著しい抗炎症活性を示した(al-Zuhairetal.,1996)。
潰瘍:
カルダモンエッセンシャルオイルはラットにおいてアスピリンとエタノール結紮により誘発される胃病変を抑制することが判明し、これはカルダモンの胃保護作用を意味します。(Jamaletal.,2006)
Column
呼吸で自律神経のバランスを整える
オイルの香りをかいだり吸い込んだりすると、ほんのわずかですが、芳香成分の分子の一部が気管や気管支の粘膜から血管に入り、さらに肺へ入って、肺胞の膜から血管を通って全身に運ばれます。このとき、去たん作用を持つ1.8シオネールやカンファーを含むオイルを使用すると、呼吸器の粘膜に成分が浸透してたんを出しやすくするなどの働きをします。
いつも無意識で行っている呼吸ですが、呼吸を意識的にコントロールすれば、自律神経に働きかけ、交感神経と副交感神経のバランスを整えることもできます。ストレスや疲労で交感神経が優位になり、興奮しているときにおすすめの呼吸法が、腹式呼吸です。
リラックス作用のあるオイルを鼻から吸い込み、おへその下(丹田)を意識しながらおなかをふくらませ、5秒息を止めます。背中を丸め、口からゆっくりおなかをへこませながら息を吐きます。1分間におよそ3~5回くらい、鼻から吸って口から出す方法を繰り返します。
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