オレンジの基本情報
- 学名:Cirusxsterasts(L.)Osbeck.1765
- 科名:ミカン科
- 産地:原産地は中国、インド。現在はイスラエルなど地中海沿岸、アメリカ西海岸、フロリダ、ブラジル、キプロスなどが主産地
- 抽出部位・方法:外皮を冷搾
- 香りの特徴:橘系のさわやかで、フルーティな香り
- ノート:トップ
- 香りの強さ:濃度1
- ブレンドの分類:エンハンサー、パーソニファイヤー
- 相性のよい精油:シナモンパーク、フランキンセンス、ゼラニウム
芳香化学成分
- モノテルペン炭化水素類:リモネン(94.5%)、ミルセン(1.8%)、α-ピネン(0.5%)、β-ピネン(微量)
食用として人気の果実
オレンジは樹高10mほどに育つ常緑樹。中国の文献では、紀元前4世紀にすでに紹介されています。
オレンジスイートとオレンジビターがありますが、アロマでオレンジといえばオレンジスイートのこと。16世紀にポルトガル商人によってヨーロッパに食用として広められました。果皮から採れるオイルの香りは、果実そのもののようにみずみずしくフレッシュです。
フルーティな香りが心と体を癒す
オーガニック栽培のオレンジの果皮から作られた精油の香りには、心に安らぎを与える効果が期待できます。甘くさわやかな香りが副交感神経に作用するので、安眠作用も。深い眠りで翌朝もすっきり起きられます。消化器系、免疫系への働きかけや健胃、整腸作用もあり、心身のケアにも有用。気分を高めてくれる作用がおだやかなシトラス(柑橘系)の代表格です。また、スキンケアにも欠かせない存在です。
【有用性】
心:わだかまりが消えリラックス
さわやかな香りで、心身ともに癒されます。不安や心配が和らぎ、心が穏やかなるでしょう。自律神経を安定させるホメオスタシスを整えます。
抗うつ、リラックス、不安解消
体:体のバランスを整える
消化器系や免疫系に働きかけ、血液の循環を促進します。デトックス作用で体の調子をとり戻します。
消化、健胃、強壮、胆汁分泌促進、解毒、鬱滞除去、血行促進、鎮静、鎮痛、抗痙攣
肌:肌を整え再生させる
発汗作用により血行を促進して、老廃物を排出します。また、ビタミンCの吸収を助けます。保湿やオイリー肌のケアにも。
皮膚組織再生、発汗、コラーゲン形成促進、育毛
家空気だけでなくキッチンも洗浄
空気洗浄だけでなく、油性汚れに強い成分であるリモネンの作用でキッチン掃除でも活躍。香りも楽しめます。
空気洗浄作用、油洗浄効果
注意
原液を直接肌に塗布して12時間以内は直射日光を避けてください。皮膚や粘膜を刺激することもあるので、敏感肌の方は特に注意しましょう。プラスチック類を溶かすため、ガラスの容器を使用し、拭き掃除のときにも注意してください。
使用方法
芳香浴:塗布摂取沐浴空気中に散布してもよいでしょう。
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。
摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。
※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。6歳未満の子ともには摂取させず、6歳以上の子どもに摂取させる際は、さらに薄めてください。
家事:水約450mlにオイル10滴を加えて、拭き掃除のクリーナーに。
対応する症状
気管支炎、風邪、便秘、下痢、消化不良、食欲不振、頭痛、偏頭痛、肩こり、マタニティケア、心配、緊張、むくみ、皮膚炎、セルライト、シワ、フケ、抗ガン、防腐、痙攣、消化、鎮静、強壮、消化器系、免疫系、感情バランス、骨(くる病)、疝痛、顔色(くすんだ顔色やオイリーな肌)、皮膚炎、熱、インフルエンザ、高コレステロール、口腔潰瘍、筋肉痛、肥満、心の痛み、月経痛、冷え性、ストレス、うつ、不安、不眠、更年期障害、疲労、ダイエット、脂性肌、リフレッシュ、リラックス
おすすめの活用法
気管支炎:早めの対処で症状を抑える
室内に拡散させて吸入するか、洗面器に熱いお湯を張り、2、3滴入れ蒸気を吸入します。
肌ケア:乾燥から肌を守ります
キャリアオイル15mlに4~6滴の割合で混ぜましょう。オイルを入れ、優しく肌をマッサージします。
飲料水・デザート:さわやかな味を楽しめます
1リットルの水に1滴を入れて飲むと、さわやかな味が口の中に広がります。ケーキなどの風味付けに使うのもおすすめ。
腹痛:優しい香りがお腹の痛みをケア
キャリアオイル大さじ1(15ml)にオイルを3滴加え、よく混ぜます。2、3滴手に取り、優しく撫でるように腹部に塗布します。
研究報告
不安症:
不安誘発状態にさらされた状況のもと、健康な男性がオレンジのエッセンシャルオイルを5分間吸入すると、ティーツリーオイル蒸留水の吸入よりも不安の減少を示した(Goesetal.,2012)。
不安症:
高架式十字迷路に入れられたラットはオレンジエッセンシャルオイルの香りにさらされた5分後、ティーツリーエッセンシャルオイルよりも不安の減少を示した(Faturietal.,2010)。
不安症:
歯科治療を受けている歯科患者(6~9歳)の治療中にオレンジエッセンシャルオイルを吸入してもらったところ、エッセンシャルオイルなしの患者と比較して、歯科治療を受けている間の唾液コルチゾール(ストレスホルモン)、脈拍数、および不安が減少した(Jafarzadehetal.,2013)。
抗ガン作用:
年配の人に対する研究で、柑橘類の皮を摂取すると皮膚の扁平上皮ガン(SCC)の度合いが減り、皮の摂取量によって発ガン率が左右されるという関係が見られた(柑橘類の皮には、d-リモネンが高濃度で含まれている)(Hakimetal.,2000)。
抗ガン作用:
臨床試験では、何人かの末期ガン患者で、d-リモネンにより、患者の状態が安定するという反応が見られた(d-リモネンは、ほとんどの柑橘系オイルや、ディル、キャラウェイ、シトロネラ、ナツメグに入っている)。(総計32人の患者のうち、乳ガン1件、結腸直腸ガン3件)。次に実施した乳ガン患者のみの臨床試験では、いかなる反応も見られなかった(Vigushinetal.,1998)。
鎮静作用:
歯の治療を待っている女性患者がオレンジのオイルの香りを嗅ぐと、オレンジの香りを嗅いでいない患者と比較して、不安が少なくなり、前向きになって、気分が落ち着いた(Lehrneretal.,2000)。
鎮静作用歯の治療を待っている患者がラベンダーかオレンジのオイルの香りを嗅ぐと、対照グループと比較して、不安が少なくなって気分が良くなった(Lehrneretal.,2005)。
中毒症:
多くの柑橘系エッセンシャルオイルに見られる一般的なテルペンであるリ・モネンの注射は、メタンフェタミン(METH:覚せい剤)を投与したラットの薬物使用による行動学的徴候を抑制した。ラットの側坐核検査は、リモネンがドーパミンレベルとセロトニン受容体機能を調節することによってその効果を生み出す可能性を明らかにした(Yun,2014)。
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