- 抗菌作用に優れ消化器系をサポート
- 清涼感のあるクールな香りが魅力
清涼感のある香りが特徴
ミントには種類がたくさんあり、ペパーミントはウォーターミントとスペアミントの交配種です。
古代エジプト時代から生薬として栽培されてきた、歴史ある植物のひとつ。和名はコショウハッカ、西洋ハッカです。
メントールの成分を多く含み、澄み渡るスッキリとした香りが魅力です。
清涼感はもちろん、消炎作用もあるのでのど飴にもよく使われます。
幅広く活用できるオイル
ペパーミントには30種類以上の成分が含まれ、その複雑さが体や精神に働きかけます。
なかでもメントールが持つ筋肉を弛緩させる働きは医療分野でも認められています。
収縮信号を細胞へ送るイオンの流れをメントールがブロックすることで、筋肉の収縮を抑制すると考えられています。
ペパーミントの有用性
心への影響
主成分のメントールが気持ちを切り替え、怒りや興奮を鎮めます。
混乱している心や無気力にも働きかけます。
鎮静、刺激、抗うつ
体への影響
胃の働きを活発にしたり、腸内ガスの排出を促し、体の活性化が期待できます。
鎮痛作用も優れ、筋肉痛や神経痛、頭痛の緩和に有用です。
鎮痛、抗バクテリア、抗発がん、消炎、防腐、抗痙攣、抗ウイルス、消化促進、解熱、抗菌、去たん、抗炎症
肌への影響
かゆみを鎮めてくれるほか、冷却作用や抗菌作用もあります。
虫さされのかゆみのケアにも有用性を発揮します。
抗痒、抗菌、冷却、消炎、収れん
MEMO
クールな香りが体と脳を刺激するエステル
ペパーミントは光沢のある濃い緑色の葉です。
目の覚めるような強い清涼感を持つメントールという成分が多く含まれ、薬理作用に関与しています。
また、ペパーミントのクールな香りは有機化合物であるエステルが関与しています。
このクールな香りが中枢神経を刺激し、脳機能を活性化させます。
さらに、筋肉にも働きかけ、カルシウムイオンを調整し、痙攣を抑える作用があると言われています。
そのため、海外では、過敏性腸症候群(IBS)などの消化器系サポートに用いられています。
体を冷却する作用がある一方、血行をよくする作用も持つので、打ち身や筋肉痛の改善に期待できます。
ペパーミントの使用方法と活用法
使用方法
芳香浴
ビンから直接香りを吸入するか、空気中に散布します。
塗布
体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。敏感肌の方や子どもは、キャリアオイル10mlに1、2滴入れて、薄めて使用しましょう。
摂取
飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。
※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには摂取させないでください。6歳以上の子どもに摂取させる必要がある場合は、さらに薄めて慎重に使いましょう。
沐浴
暑い季節にバスタブに1、2滴垂らし、入浴するとすっきりします。
美容
1カップの水に1滴垂らして飲むと、口臭ケアができます。
家事
抗菌、防臭作用があり、キッチンやバスルーム、トイレなどハウスクリーニングにも利用できます。
おすすめの活用法
乗り物酔い
乗り物酔いの不安と吐き気もケア。ハンカチに1滴オイルを垂らして香りを吸入します。
のどの不快症状
カップ1杯の水にオイルを1滴入れてうがいをします。
口臭・体臭
口臭対策には、1カップの水にオイルを1滴垂らして飲みます。
肩こり
筋肉疲労や緊張を和らげてラクにする。患部に2、3滴塗り、1日に2、3回マッサージします。
集中力
脳を刺激して眠気解消。ペパーミントをテッシュペーパーか、ハンカチに落として、机の上やそばに置きます。
ドライブ
車内環境を整え安全運転へ。車の換気口に1滴垂らすと、車内に爽やかな香りが広がります。
頭痛
ひんやり成分が心身の緊張を緩和。こめかみに1滴塗り込んでください。
水虫
足のにおいと感染対策に。オイルを加えたお湯での足浴がおすすめです。
注意
繰り返し使用すると、接触によって極度のアレルギー反応が起きることがあります(接触感作)。
妊娠中の方や高血圧症の方は注意して慎重にお使いください。
ハウスクリーニング
キッチン、バスルーム、トイレの防臭抗菌に。
水を入れたバケツに2、3滴入れ、ぞうきんをすすぐと抗菌に役立ちます。
50mlの水を入れてスプレー式容器に10滴入れてスプレーすると除菌に役立つでしょう。
ペパーミントの対応する症状と研究報告
対応する症状
熱のぼせ、吐き気、ショック、皮膚(かゆみ)、咽喉感染、怒り、関節炎、疝痛、疲労、食中毒、頭痛、じんま疹、過敏性腸症候群(IBS)、肝臓疾患、記憶力、つわり、放射線照射、リウマチ、皮膚の治癒と冷却(暑い日の体のほてり)、歯痛、乗り物酔い、炎症、神経(再生と補助)、結核、消化不良、口臭、胸やけ、ヒステリー、気力回復、やる気喪失、うつ、便秘、下痢、肩こり、風邪、月経痛、花粉症、不安、傷、二日酔い、せき、のどの痛み、筋肉痛、腰痛、ヘアケア、ダイエット、リフレッシュ、集中力
研究報告
持久力
ペパーミントエッセンシャルオイルを含むミネラルウォーターを10日間摂取する前後の運動パフォーマンスを比較した準実験では、ペパーミントオイルを摂取した後の運動パフォーマンスが改善することが判明した。(Meamarbashi et al., 2013)
放射線照射
ガンマ放射線を照射したマウスにペパーミントオイルを与えたところ、血幹細胞を保護する効果が示唆された。(Samarth et al., 2004)
ペパーミント抽出物を経口投与したところ、精巣の損傷を防ぐ効果が確認された。(Samarth et al., 2009)
頭痛
ペパーミント・オイルとエタノールを組み合わせると、頭痛感受性が低下し、鎮痛効果があることが判明した。(Göbel et al., 1994)
過敏性腸炎(IBS)
ペパーミント・オイルを8週間以上摂取すると、IBSの症状が大幅に緩和されることが確認された。(Cappello et al., 2007)
腸内で溶けるカプセルにペパーミント・オイルを入れて投与したところ、IBSの痛みが緩和された。(Kline et al., 2001)
記憶力
臨床試験で、ペパーミントの香りが記憶力を高め、意識をはっきりさせることが判明した。(Moss et al., 2008)
抗バクテリア作用
ペパーミントとスペアミントのオイルは、耐性菌株の大腸菌、サルモネラ菌、ピロリ菌を抑制した。(Imai et al., 2001)
ペパーミントとローズマリーのオイルは、歯垢防止においてクロルヘキシジンよりも高い効果があることが判明した。(Rasooli et al., 2008)
消炎作用
ペパーミントとキャラウェイのブレンド・オイルを使用したところ、胃腸の痛覚過敏が軽減されることが確認された。(Adam et al., 2006)
L-メントールにより、炎症媒介物質の生成が抑制されることが判明した。(Juergens et al., 1998)
抗ウイルス作用
ペパーミント・オイルは、ヘルペスのウイルスに対する殺ウイルス作用を示した。(Schuhmacher et al., 2003)
神経(再生と補助)
ペパーミント・オイルで前処置された星状神経膠細胞が、熱ショックで誘発されたアポトーシスから保護された。(Koo et al., 2001)
てんかん
ペパーミントエッセンシャルオイルを投与されたマウスは、てんかん発作を引き起こす致死量のPTZ投与後も生存率100%を示した。(Koutroumanidou et al., 2013)
植物にとってのオイルの働き
エッセンシャルオイルとは?
エッセンシャルオイルは、植物が身を守るために自ら発生する、第二次代謝産物です。
オイルがなぜアロマテラピーに用いられるのかを理解するために、オイルが植物にとってどのような働きをしているのかを見てみましょう。
オイルの主な働き
1. 鳥や昆虫を引き寄せて、繁殖に役立てる (誘引作用)
植物は、昆虫や鳥などに受粉を助けてもらい、種子を遠くへ運んでもらって種族の繁栄に役立てます。
花や葉、果実に含まれているオイルの芳香物質は、こうした昆虫や鳥などを引き寄せる役割をしています。
2. 害虫や鳥を寄せ付けない (忌避作用)
誘引効果とは逆に、オイルの芳香物質によって、害虫や鳥を遠ざけることで食べられるのを防ぐケースもあります。
一部のオイルが虫よけに利用できるのは、この働きによるものです。
3. 有害な菌やカビなどから身を守る (抗真菌作用・抗菌作用)
オイルの芳香物質には、植物自体が有害な菌やカビに侵されるのを防ぐ働きを持つものもあります。
4. 生存競争の相手の成長を抑える
生存競争相手である、他の植物の生長や発芽を抑える働きを持つ成分を含んでいるオイルもあります。
5. 太陽の熱から身を守る
オイルの芳香物質を蒸発させることで植物を冷却し、暑さから身を守る働きがあるとされています。
6. ホルモンのような働き
オイルは植物のホルモンともいわれ、人間の体内で生理状態を調整するように、植物内でも働いているといわれています。
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