【ベルガモット】-勇気と元気をもたらす柑橘系の爽やかな香り-

学名:Cinsxbergamio(Risso)Risso&Poit.1818科名:ミカン科
産地:イタリア
抽出部位・方法:外皮を低温圧搾法
香りの特徴:柑橘系の甘くフルーティーな香りノート:トップ香りの強さ濃蔑2ブレンドの分類:イクオライザー、モディファイヤエンハンサー
相性のよい精油:サイプレス、ユーカリプタス、ゼラニウム、ラベンダー
芳香化学成分
モノテルペン炭化水素類:リモネン(36.1%)、アーテルピネン(7.2%)、βーネン(6.3%)、α-ピネン(1.1%)、ミルセン(1.1%)、サビネン(1%)モノテルペンアルコール類:ホトリエノール(10.3%)
エステル類酢酸リナリル(31.4%)
ラクトン・フロクマリン類ベルガプトール(0.2%)、ベルガプテン(0.1%)
イタリアの町が名前の由来
コロンブスが発見したベルガモットをイタリア・ベルガモで栽培を始めたことがその名
前の由来となったといわれるミカン科の常緑樹です。葉は長い緑色で白い花が咲いたあ
と、洋ナシ型の実をつけます。栽培が難しく、気候と土壌の条件が揃わないと育ちません。果実は苦みが強く生食できませんが、果皮は紅茶のアールグレイの香りづけとして使われています。

多くの成分を含む万能精油
ベルガモットの精油は果皮を圧搾して作ります。柑橘系に加えてフローラルなやさしい香りは、心理面に働きかけ、ストレスを緩和します。300種以上の成分で構成され、消化器系の調整作用や抗菌作用、皮脂のバランスを整えるなどの働きがあり、幅広く活用できる精油です。

【有用性】
心弱った気持ちを癒やす
鎮静作用が高く、心身が疲れたときや、病気で弱気になってしまったとき、心のバランスを整えてくれます。
鎮静、抗うつ

体ストレス性の各種症状を緩和
主成分リモネンには、血液の流れを促し、腸の働きを高める作用があります。とくに神経系の胃腸不調に役立ちます。
抗菌、抗ウイルス、抗感染、抗寄生虫、駆虫、抗痙攣、消化促進、神経保護、鎮痛、抗バクテリア(連鎖球菌とブドウ球菌の感染)、消炎、防腐、抗真菌

肌脂性肌やニキビ・吹き出物に
抗菌作用と皮脂バランスを調整する働きがあります。脂性肌やこキビ、吹き出物をケアして、肌を健やかに整えます。
抗菌、抗炎症、皮脂分泌調整

対応する症状
ニキビ、吹き出物、おでき(炎症性の腫れ)、のどの痛み、気管支炎、急性扁桃炎、単純ヘルペス、脂性肌、せき、膀胱炎、消化不良、湿疹、熱、胆石、虫さされ・かゆみ、創傷、潰瘍、食欲不振、便秘、下痢、月経痛、頭痛、冷え性、ストレス、うつ、不眠、更年期障害、関節炎、メタボ、体臭、二日酔い、筋肉痛、リフレッシュ、リラックス
繰り返し使用すると、接触によって極度のアレルギー反応が起きることが注意あります(接触感作)。原液を直接肌に塗布して、12時間以内は直射日光
を避けてください。

使用方法
芳香浴:空気中に散布してもよいでしょう。デオドラントや消臭剤としても使用できます。
塗布:体の一部分に塗布する場合は、薄めずに使用できます。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ってください。
摂取:飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。
※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。
※6歳未満の子どもには摂取させないでください。6歳以上の子どもに摂取させる必要が
ある場合は、さらに薄めて慎重に使いましょう。
美容:キャリアオイル30mlにオイルを3、4滴入れて混ぜ、汗のにおいの気になるところに塗れば、消臭効果が期待できます。
家事:デザートや紅茶の風味つけに1滴使用できます。

おすすめの活用法
ベルガモットの香りは不安や気持ちの低下を癒すのに役立ちます。ディフューザーを利用し、室内に香りを広げるといいでしょう。1日の終わりにディフューザーを利用して、室内に香りを拡散させましょう。不安や緊張を取り除き、ストレスも緩和され、眠りにつくまで、きれいな空気のなかで、心地よく過ごせます。また、決断力を与えてくれるので、ここぞ!というときに活用するのもおすすめです。

胃腸の不調消化器調整の作用あり胃と腸を整える
1、2滴をカプセルに入れて飲むか、ビンから直接香りを吸入します。下痢や便秘、消化不良にも活用できます。

不眠イライラするとき寝室の香りにおすすめ
ディフューザーに1~3滴入れて寝室に散布するか、ベッドまわりのリネンを香らせます。ボディクリームに加えてもいいでしょう。

冷えストレスをケアして冷えを解消
洗面器に湯を張り、1、2滴を垂らして足浴をします。血液循環をよくするだけではなく、冷えの原因であるストレスを緩和する働きも。

汗のにおい気になる汗のにおいにデオドラント消臭
キャリアオイル30mlに3、4滴入れ、首の付け根と耳の下、わきに塗り、やさしくさするようにマッサージします。

せき、のどの痛み気管支炎や扁桃腺炎の炎症を軽減
患部に1、2滴ぬるか、コップに入れてうがいするか、鼻から香りを吸引します。

不安鎮静と高揚の作用で不安を和らげる
バスタブに2、3滴入れてつかります。不安定な心に働きかけ、明るい気持ちに導きます。
スキンケア皮脂バランスを整え清潔な肌へ
ベルガモットは、皮脂バランスを整えるので、オイリー肌やにきび、吹き出物などのケアに適しています。キャリアオイルで希釈して使ってください。また、オイルやクリームに混ぜてフェイシャルマッサージを行ったり、洗面器に熱いお湯をはり、1滴オイルを垂らして、フェイシャルスチームを行うのもよいでしょう。
アロマバス清潔に保ち、炎症を和らげ、気分も前向きに
ベルガモットでのアロマバスは、心身の疲れをほぐすのに最適です。オイルを垂らしたバスタブにゆっくり浸かりましょう。緊張した筋肉炎症などを和らげ、気持ちも癒してくれるでしょう。また、抗菌、抗ウィルス、抗真菌、抗バクテリア作用は、ボディーソープや歯磨き粉に1滴混ぜることで、力を発揮してくれるはずです。

研究報告
鎮静作用:114人の被験者を使った研究において、ソフトミュージックを聞くこと、またベルガモット・エッセンシャルオイルを吸入することは、自律神経系のバランスが副交感神経を高めるので、効果的なリラクゼーション方法であることが立証された(Pengetal.,2009)。
神経保護:大脳の虚血を誘発したラットの実験で、ベルガモットのエッセンシャル・オイルに、ラットの脳を損傷させず、神経を保護する効果が見られた
(Amanteaetal.,2009)。
脳傷害:ベルガモット・エッセンシャルオイルは、試験管内においてNMDAのピト神経芽細胞腫細胞の曝露によって引き起こされる興奮毒性の神経細胞損傷を減少させることがわかり、これはベルガモットオイルの神経保護能力を示している
(Corasanitietal.,2007)。
抗真菌作用:ベルガモット・エッセンシャルオイルは、いくつかの一般的な白癬菌種に対して試験管内で抗真菌作用があることが判明した(Sanguinettietal.,2007)。
抗ウイルス作用:ベルガモット抽出物は、HTLV-1(T細胞白血病およびリンパ腫の原因となるヒトレトロウイルス)およびHIV-1の感染細胞に対する強力な抗レトロウイルス活性を示すことが判明した(Balestrierietal.,2011)。
不安症:ベルガモット・エッセンシャルオイルの吸入は、2類の不安行動に関する測定(高架式十字迷路試験、ホールボード試験)を受けたマウスに投与された抗不安薬ジアゼパムの急性注射と同様の抗不安作用をもたらした(Saiyudthongetal.,2011)
不安症:ベルガモット・エッセンシャルオイルはまた、マウスのストレスに対するコルチコステロン反応(ストレス時に増加)を減少させた(Saiyudthongetal.,2011)。
不安症:動物モデルにおいて、ベルガモットはリラクゼーション効果および抗不安作用を示した(Robolaetal.,2017)。
抗炎症作用:ベルガモット抽出物は、IL-8遺伝子発現に対して阻害活性を示すことが見出され(IL-8は嚢胞性線維症に関連する炎症過程に関与している)、ベルガモットは嚢胞性線維症患者における肺炎症を軽減する抗炎症特性を有する可能性を示している(Borgattietal.,2011)

Column
フロクマリンを取り除いたベルガモット

柑橘系のエッセンシャルオイルのなかには、原液を塗布後、紫外線(人口なものも含む)を浴びると肌トラブルが生じることがあります。光毒性、光感作といわれています。その原因となるのがフロクマリンです。ベルガモットはその香りの爽やかさなどから、ボディーソープやスキンケアなどで使われることも多いオイルですが、光毒性の原因となるフロクマリン類のベルガプテンが高い割合で含まれているため課題となっていました。そこで抽出の過程で、フロクマリンを取り除いたフロクマリンプリーのベルガモットFCFが作られました。

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