【イランイラン】－緊張から解放される甘くスパイシーな南国の香り－

イランイランの基本情報

学名:Canangaodorata(Lam.)Hook.f.&Thomson1855
科名:パンレイシ科
産地:マダガスカル
抽出部位・方法:花から水蒸気蒸留
香りの特徴:濃厚でエキゾチックな香り。アンダートーンは、スパイシーなバルサムの香り
ノート:ミドル、ベース
香りの強さ:濃度5
ブレンドの分類:パーソニファイヤー、モディファイヤー
相性のよい精油:ベルガモット、ゼラニウム、レモン、マジョラム、サンダルウッド

芳香化学成分

モノテルペンアルコール類:リナロール(6.0%)、ゲラニオール(1.1％)
セスキテルペン炭化水素類:ゲルマクレンD(18,4%)、β-カリオフィレン(14.0%)、トランス・トランス・ローファルネセン(9.6%)、α-フムレン(3.9%)、-カジネン(3.1%)、シスートランスα-ファルネセン(2.6%)、α-コパネン(1.2%)、α-ムウロレン(1.1%)
セスキテルペンアルコール類:2-トランス,6-シスファルネソール(9.2%)、
カジノール(2.2%)
エステル類:酢酸ゲラニル(7.7%)、ファルネシルアセテート(3.0%),
ベンジルサリチレート(2.0%)、パラーメチル-アニソール(2.0％)、トランスカディアナ-1(6),4-ジェン(1.6%)、酢酸ベンジル(1.0%)
カルボン酸・有機酸類:安息香酸メチル(1.2%)

濃厚で甘い香料の木

イランイランは熱帯雨林に生息し、樹高10～20mにもなる高木です。甘く濃厚な香りを発し、産地マダガスカルでは「香料の木」として有名。

イランイランという名前はマレー語の「花の中の花」（アランイラン）を意味する言葉が由来です。

木にぶら下がって咲く花は黄色やピンク、薄紫色などがあり、なかでも黄色の花の精油は最高品質とされています。

古くから催淫作用で知られる

甘く華やかな香りを放つイランイランは、古くから催淫作用があるとされてきました。インドネシアでは、新婚初夜のベッドにイランイランの花びらをまく風習もあります。

香りには、抗うつ、鎮静作用があり、精神面に働きかけて、怒りや緊張をほぐし、心をリラックスさせてくれるでしょう。

香水にも使われることが多く、独特の華やかさを与えています。また、肌や頭皮のケアにも有効です。

【有用性】

心：心を解放し性欲を高める

性欲を高める作用で、パートナーとの夜をセクシーに過ごせます。
心をリラックスさせるので、不安や緊張を感じた時にも。

催淫、抗うつ、リラックス

体：血圧や脈拍を落ち着かせる

心臓血管系とホルモン系に作用し、血圧の低下や脈拍の減少に有用です。また不安を和らげ、快眠に導きます。

女性ホルモンの分泌を高める

女性ホルモン（エストロゲン）の分泌を高める作用があるB-カリオフィレンにより、ホルモンバランスの乱れから起きる肌荒れやPMS、更年期などの症状緩和に。

血圧降下、鎮静、頻拍抑制、女性ホルモン分泌、抗痙攣

肌：刺激から守ってくれる

紫外線から肌や紙を守ります。皮脂の分泌バランスを調整する作用があり、すべての肌質に効果が期待できます。特に脂性肌におすすめです。

皮脂バランス調整、血行促進、脱毛予防、頭皮の強壮、育毛

その他

デオドラント作用

※繰り返し使用すると、接触によって極度なアレルギー反応が起きることが注意あります(接触感作)。

濃厚な香りのため、過度に使いすぎると頭痛や気分が悪くなるので、使用量は少なめにしてください。

イランイランの使用方法

芳香浴：香りが強いため、少量で空気中に散布するか、直接ビンから吸入します。

塗布：体の一部分に原液を塗布することはできますが、香りが強いため、気になる場合は希釈してください。足裏の反射区やツボと患部に1、2滴塗ります。胸腺全体に塗ることで、免疫系を刺激することができます。

摂取：飲み物や食べ物に入れることができます。水120ml、またはハチミツ15mlにオイル1滴を目安に希釈。

※米国食品医薬局(FDA)によって、摂取することが安全だと認められています。6歳未満の子ともには摂取させず、6歳以上の子どもに摂取させる際は、さらに薄めてください。

沐浴：バスタブに1滴オイルを垂らし、入浴します。

美容：お手持ちの化粧水や乳液、クリームなどにオイルを1、2滴加えて、いつものお手入れをしてください。

イランイランのおすすめの活用法

スキンケアやヘアケアに使う場合は、薄めずそのまま使えます。気になる部分に直接塗ってください。免疫系を刺激するときは、胸腺全体に塗るのもいいでしょう。空気中に散布すれば、華やかな香りでリラックスできます。就寝前にバスタブのお湯に1滴落とせば安眠作用も。

不安：ゆったりとした楽天的な気分に

小ビンにオイルを入れて持ち歩き、気持ちを落ち着かせたいときに、香りを深く吸い込みましょう。ハンカチに1滴垂らしてもいいでしょう。

寝室のムード作り：ムードある夜を演出し能力が増す役割も

ベッドや寝室の小物に1滴垂らしておくと、心が開放されて、ロマンティックな気分になります。セクシーな一夜を迎えられるでしょう。

対応する症状

過呼吸、動悸、月経痛、不安、不感症、欲求不満、不眠、緊張、糖尿病、精神的疲労、呼吸異常、頻拍、血圧低下、平衡感覚、心臓機能のバランス異常、インポテンス、感染、腸疾患、性的要因、疾患、ショック、皮膚疾患、更年期障害、動脈性高血圧、乾燥肌、脂性肌、ニキビ・吹き出物、脱毛、薄毛、空気清浄、ストレス、うつ、体臭、消化不良、普通肌、リラックス

研究報告

鎮静作用:健康的な被験者においてイランイランの吸入は吸入なしと比較して、脳波P300(注意の集中度や作業記憶を反映する)が著しく減少した。これらの結果はイランイランが認識レベルでリラックス効果をもたらすことを示している(Watanabe et al.,2013)。

降圧作用:ボランティア被験者にイランイランのオイルを吸い込ませると、においを嗅がなかった対照グループよりも、血圧が低下して脈拍数が減少し、注意力と警戒心が高まることが判明した(Hongratanaworakit et al.,2004)。

降圧作用:イランイランのオイルを皮膚に塗った被験者は、対照グループの被験者よりも、血圧が低下し、皮膚の体温が上昇し、心が落ち着いてくつろいだ気分になったという結果が出た(Hongratanaworakit et al.,2006)。

鎮静作用:臨床試験で、イランイランの芳香で落ち着きが高まることが判明した(Moss et al.,2008)。

尿路:イランイランオイルは、ネズミ(試験管内で)とウサギの膀胱平滑筋で弛緩を促した。これは、過活動状態の膀胱を軽減することにイランイランが効果的である可能性を示す(Kim et al.,2003)。

Column 心を癒してパワーアップさせるアロマバス

オイルは色との関わりが深く、イランイランに対応する色はオレンジです。オレンジはミカンなどの果物を連想する方も多いと思いますが、実がたわわに実る様子から人と人とのつながりという意味を表しています。また、太陽のような明るい笑顔や元気、楽しい気分などをイメージさせます。前向きに取り組みたいときにパワーを与えてくれる色です。

■アロマバス
癒し効果の高いイランイランとシダーウッドに、緊張をやわらげるベルガモットをプラスして、ハッピーな気分を取り戻しましょう。

イランイラン2滴、シダーウッド1滴、ベルガモット2滴を、バスタブのお湯に入れて、よくかき混ぜます。